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【発達障害向け】障害者雇用の就職・転職に必要な3つの応募書類と役割

  • 応募書類が書けない!文章が浮かばない!
  • 履歴書とか職務経歴書って使い回したらダメ?
  • 書類選考の通過率を上げて面接に進みたい!

障害者雇用の就職・転職において応募書類は、内定を勝ち取るために準備すべきプレゼン資料。一般転職と同様に履歴書や職務経歴書のほか、あなたの障害について説明する必要があります。

本記事では発達障害を持つ方に向けて、障害者雇用で使う応募書類3種類と、その役割の違いについて説明します。

  • 履歴書・職務経歴書・障害に関する情報の3点
  • 書類は応募する企業に合わせて調整してから提出
  • 発達障害・グレーゾーンを隠す場合の書き方

応募書類の書き方は書籍などでも解説されている一方、自分のケースに当てはめてみると全く書けない方が多いです。

本記事の内容も参考にしつつ、読み手である企業にとって魅力的に映る応募書類を書き上げてください。

タップできる目次

転職活動において応募書類は非常に重要

転職活動において、応募書類の精度を高めることは非常に重要。応募書類はあなたと企業の最初の接点となるため、採用担当の第一印象を左右します。

  • 面接に呼ぶかどうか?
  • 第一候補とするか?
  • 他の候補者と比較が必要か?

など、書類通過率や内定率などの成果にも直結するため、手を抜かず作り込んでください。応募書類であなたの魅力が伝われば、面接のチャンスが増えるだけでなく、他のより適合するポジションを紹介してもらえる可能性も高まるでしょう。

一方で作り込みの甘い応募書類を提出してしまうと、転職意思が低いと受け取られ、書類選考をなかなか通過できない結果となってしまいます。

転職活動の長期化を防ぎ、希望通りの転職を叶えるために、応募書類の作り込みは絶対に欠かせません。

障害者雇用の転職で使う応募書類は3つ

障害者雇用の就職・転職に必要な応募書類は以下の3つ。

  • 履歴書
  • 職務経歴書
  • 障害に関する情報

書類によってそれぞれ役割が違うため、フォーマットや書き方が異なります。これらの書類は一旦テンプレートとして作成したのち、求人に併せて微調整することも重要です。

履歴書

履歴書はあなたの学歴・職歴・資格などの情報を網羅的に確認できる基本的な書類。テンプレートによっては志望動機や自己PRが書けるタイプもありますが、詳しい内容は職務経歴書で確認してもらう形が多いです。

▷ 履歴書の書き方ガイド

書くポイント

履歴書には空欄を作らず、全ての項目を埋めることが必要です。「同上」「特になし」「貴社規定に準じます」など、特段明記する内容がない場合はその旨記載するようにしましょう。

日付の書き方は「和暦・西暦」どちらかに統一し、採用担当が読んで時系列が分かりやすいようにしてください。

障害者雇用へ応募する場合は備考欄や本人希望記入欄に障害名・手帳の等級などを記載しておくと確認漏れを防げます。

職務経歴書

職務経歴書は、あなたの業務経験や実績、PR内容などを細かく掘り下げた書類。職歴がある方の場合、職務経歴書の作り込みで書類選考の通過率が大きく変わります。記入形式は自由ですが、テンプレートをダウンロードして作ると効率的に書き上げられます。

職務経歴書は自己PR的な要素が強いため、経験業務の表現やアピールできる実績の記載に重点をおき、適切な言葉選びを心がけましょう。

▷ 障害者雇用の職務経歴書の書き方

書くポイント

職務経歴書には、過去に勤めた職場や職種、業務内容などを詳しく書く必要があります。職務経歴書のフォーマットは

  • 時系列順に書く「編年体式」
  • 直近の経験から書く「逆編年体式」
  • 経験職種ごとにまとめる「キャリア式」

上記3パターンが主流。企業が職務経歴書を手に取ったとき、一番魅力的に映るフォーマットで書くことをオススメします。

障害に関する内容は別途、障害に関する情報の書類を提出することが多いです。しかし提出を求められていない場合、障害者雇用でどのような配慮を受けていたかを記載しておくと企業の理解が深まります。

障害に関する情報

障害者雇用の求人へ応募する場合、履歴書・職務経歴書のほかに「障害に関する情報」を併せて送付することが望ましいです。「自己紹介シート」「私の障害について」など名称は様々ですが、以下の内容を記載することで企業側の理解度が深まります。

  • 障害名や手帳等級など基礎情報
  • 障害特性や苦手なこと
  • 企業に配慮してほしいこと

企業は発達障害に対するプロではありません。あなたがどのような特性を持っているのか、どんなサポートが必要なのかを明記して、誤解なく伝わるように準備しましょう。

▷ 私の障害について書き方ガイド

書くポイント

障害者雇用において障害に関する情報は、自己PRや志望動機と同様に重要な選考ポイントの一つ。

配慮希望を多く書きすぎて企業側に「サポートしきれない」と判断されたら、見送られてしまう可能性もあります。自己対処できることは含めず、どうしても自分だけで解決できない不具合のみピンポイントで伝えるようにしましょう。

応募書類は企業に合わせて調整

応募書類はテンプレートをそのまま送るのではなく、企業ごとに内容を調整してから提出しましょう。同じ職種でも企業によって仕事内容や特色が異なるため、テンプレート通りの文面では違和感を感じる場合があります。

応募前に見直すべきポイントのうち、特に重要なのは以下3点です。

  • 志望動機
  • 自己PR
  • 配慮事項

志望動機

志望動機は求人とあなたのマッチ度合いをアピールする項目。テンプレート通りの内容だと「同じ職種で使い回してる」と判断される可能性もあります。

職種や業界への志望度の他、その中でなぜこの会社を選んだのか?入社したらどのように貢献できるのか?などを盛り込んで追記しましょう。

▷ 障害者雇用の志望動機を考えるポイント3つ

自己PR

自己PRはあなたのスキルを企業にアピールする項目。職種ごとに分けて同じ内容を使い回す方も多いですが、仕事内容によってアピールポイントを変えていくことをオススメします。

例えば同じ事務職だとしても、業務内容や企業によって使うスキルはマチマチ。求人ごとに「どんなスキルをアピールすれば刺さるだろうか?」と考えながらPRできると、企業からの評価が高まる可能性があります。

▷ 企業に刺さる自己PRを「逆算」して考えるポイント

配慮事項

障害者雇用では企業に対して障害への配慮を求めることが可能です。配慮事項は企業があなたを雇用する際、何をサポートすべきか知ってもらうための重要な項目。

何でもかんでも「配慮してほしい」ではなく、具体的に「この業務のこのポイントが苦手なのでサポートが欲しい」など明確に伝えられるといいでしょう。

そのためにも求人票に提示されている業務内容や働き方を読み込み、働くうえで起こりそうな不具合に限定して記載することをオススメします。

▷ 発達障害をわがままと思われない配慮事項の書き方

企業への提出方法

応募書類は企業側から指定された方式で提出しましょう。提出方法は一般的に以下の方法が多いです。

  • 郵送
  • メール
  • 紹介者経由

郵送

応募書類を郵送する際は、指定された書類の他に「添え状」を添付してください。添え状とは先方への挨拶や、書類の内容物を伝える役割があります。

テンプレートを使いつつ、工夫せずに作成してしまって問題ありません。自己PRなどを付け加えることもできますが、添え状本来の目的は挨拶と内容物の説明。長く書きすぎないように注意しましょう。

メール

メールで応募書類を提出する場合、データをPDFに変換してから送付しましょう。ExcelやWordデータで送った場合、ソフトの形式上読み込めない、ミスによってセル内のデータが消えるといったトラブルが起きる可能性があります。

メールの件名は簡潔に、応募書類の送付であることと、あなたの氏名を伝えればOK。

例) ○○職求人の応募書類を送付いたします|吉田

本文は以下の内容を記載して、簡潔にまとめましょう。

  • 企業名・担当者
  • 挨拶「お世話になります。よしだと申します。」
  • 本文「○○職求人にて選考いただきたく、応募書類をお送りいたします。~~」

紹介者経由

転職エージェントやリファラルなど求人の紹介者がいる場合、紹介者経由で応募書類を提出してもらう場合があります。

その際もデータでやりとりする際には、PDFデータへ変換してから提出しましょう。PDFのファイル名にもあなたの名前を入れておくことで、他者の応募書類と混同してしまうことを防げます。

障害者雇用の応募書類を書くポイント

障害者雇用の応募書類は一般転職の記載内容の他に、以下も追加する必要があります。

  • 履歴書に障害に関する情報を書く
  • 障害者手帳のコピーも添付
  • 「合理的配慮」について必ず触れる

履歴書に障害に関する情報を書く

障害者雇用へ応募する場合、履歴書に障害に関する情報を記載しましょう。

求人へ応募が殺到した場合、採用担当は全ての書類に目を通すことが難しい場合もあります。履歴書だけでも障害名や等級が分かるようにしておき、あなたの障害情報が伝わるように工夫しましょう。

一般的な履歴書は規格が決まっており障害に関する枠がないため、備考欄などに記載してください。PCデータで履歴書を作っている場合、ご自身で加工することも可能です。

障害者手帳のコピーも添付

障害者手帳のコピーも添付することをオススメします。

障害者雇用の場合、選考のどこかで障害者手帳の提出が必須。応募書類とセットで障害者手帳のコピーを送付しておけば、二度手間や提出漏れを防げます。

コミュニケーションのロスを減らすためにも、応募書類に障害者手帳のコピーを添付しましょう。

「合理的配慮」について必ず触れる

障害者雇用の応募書類では、あなたが障害上できない事をサポートしてもらう「合理的配慮」について触れてください。

「合理的配慮」とは、障がいがある人とない人の就労機会や待遇を平等に確保し、障がい者が能力を発揮するために支障となっている状況を改善したり、調整したりすることです。

引用元:HRpro

企業はあなたが働く上で、どんな不具合を持っているのか分かりません。あなたが能力を発揮し企業へ正当な評価を得るためにも、どんな事をサポートしてほしいか明確に伝えましょう。

エピソードや具体的な事例を交えて記載すると、企業側へ情報が正しく伝わります。

発達障害やグレーゾーンを隠す場合

発達障害・グレーゾーンを隠して転職する場合、一般の転職求人へ応募することになります。障害への配慮を求めず、業務範囲を担当できることや他者よりも優れている点をアピールする必要があるでしょう。

労働契約法第5条には、会社は従業員の「個人の健康について情報を得て、必要な配慮をおこなわなくてはいけない」とあります。障がいを隠す場合は、障がい者自身も、健康を損なわず、就労時間に業務をしっかり遂行する能力が求められるという事です。

引用元:みんなの障がい

障害を伝えず転職する際は、応募書類のうち以下の点に注意してください。

  • 障害に関する部分は触れない
  • 「苦手」より「得意」を強調する
  • 発達障害を伝えないなら徹底的に

障害に関する部分は触れない

発達障害を開示しない場合、応募書類のなかで障害に関連することは書けません。経歴の空白や退職理由などは、採用担当が納得できる回答を用意しておいてください。

また障害特性上どうしても難しいことは、「苦手・不得意」などの表現で伝えておくことも考えられます。しかし苦手なことがありつつも、得意な分野で貢献する意思を伝えることも重要です。

「苦手・不得意」をデメリットのみで伝えず、それをカバーできる「得意なこと」を明確にしておきましょう。

「苦手」より「得意」を強調する

転職活動は多数の応募者のなかで採用する人を比較・検討します。経験実績だけでなく、あなたの得意分野を自己PRすることも非常に重要です。

応募書類ではあなたの長所・強みを強調し、「面接で話を聞きたい」「採用候補に入れよう」と思ってもらうことが大切。これまでの経験の中で転職後も活かせるスキルを棚卸しして、しっかりと文章で提示しましょう。

発達障害を伝えないなら徹底的に

発達障害やグレーゾーンを隠して転職する場合、応募書類を書く段階で「空白期間・短期離職」を面接で質問された場合の回答も考えておきましょう。

特に「発達障害の発覚による退職経験」がある方の場合、退職理由の伝え方を十分に対策する必要があります。退職理由は転職面接において必ず聞かれる質問のひとつ、どんな回答をするか事前準備が必須です。

▷ 障害を伝えず転職するときに使える転職エージェント

応募書類づくりのよくある疑問

応募書類を書く際、よく悩みがちなことをいくつか紹介します。

  • 履歴書は手書き?パソコン?
  • 職務経歴書はテンプレート必須?
  • 誤字脱字があったら印刷し直し?
  • 履歴書の写真はスマホじゃダメ?
  • 前職までの日付や名称が曖昧なんだけど…

履歴書は手書き?パソコン?

履歴書は手書きでもパソコンでもOKですが、筆者はパソコンでの作成を強く推奨します。理由は以下の3つ。

  • 送付したあともデータとして手元に残る
  • 書き間違いの修正が簡単、紙が無駄にならない
  • 転職エージェントや支援者にデータを送りやすい

履歴書は基本の型が決まっているため、手軽にダウンロードし作成することが可能。「手書きの方が熱意が伝わる」と言われますが、筆者はそれよりも読みやすく誤字脱字のない書類の方が優先だと考えます。

オリジナリティを出すことよりも、読みやすく正確な履歴書を作ることに集中してください。

▷ 履歴書のテンプレートページ

職務経歴書はテンプレート必須?

職務経歴書は自由形式のため、どのような体裁でも基本的に問題ありません。しかし筆者はテンプレートの利用を推奨します。

転職を考えている方は本業を抱えつつ、限られた時間のなかで応募書類を作る方も多いはず。しかし真っ白なWord画面から職務経歴書を自作するには、余計な時間と労力がかかります。

まずはテンプレートを使って効率よく職務経歴書を作りあげ、企業に応募できる体裁を整えてしまいましょう。転職活動を進めるなかで思うような結果が出ない場合に、職務経歴書の作り直しも視野に入れてください。

職務経歴書のテンプレートは転職エージェントのdodaチャレンジからダウンロードできます。

▷ 職務経歴書のテンプレートページ

誤字脱字があったら印刷し直し?

応募書類は誤字脱字がないように、確認してから印刷しましょう。万が一印刷したあとに誤字脱字を発見した際は、修正して印刷し直してください。

応募書類は企業とあなたの最初の接点となる、大切な書類。そんな重要書類に誤字脱字があった場合、企業側に「真剣さが無い」と判断されてしまう恐れもあります。

  • 印刷前にパソコン画面でチェック
  • 印刷後に紙面で再度チェック
  • 一晩寝かせて翌日にチェック

応募書類に誤字脱字をしてしまう人という印象は、そのまま「入社後に重要な書類でも書き間違いをする可能性がある」という印象につながります。念には念を入れて確認しましょう。

不安な方は第三者にも確認してもらうことをオススメします。

応募書類には、誤字脱字がないように注意しましょう。万が一、誤字脱字があった場合は、印刷し直して提出することをおすすめします。また、自分だけでチェックするのではなく、他の人にもチェックしてもらうことで、見落としを防ぐことができます。

履歴書の写真はスマホじゃダメ?

履歴書に貼る写真はスマホ撮影でもOKです。履歴書写真用アプリや画像加工アプリなどがありますので、上手く利用できれば写真にかかるコストを減らせます。印刷はコンビニプリントで可能。

一方で画質や写り具合はプロに任せた方が仕上がりよく撮影してもらえるため、転職に真剣な方は写真館などで撮影してもらった方がいいでしょう。

履歴書の写真は採用担当が必ず目を通すポイントのひとつ。第一印象を左右する重要な写真のため、自分で撮影する場合も手を抜かず綺麗な写真を作りましょう。

前職までの日付や名称が曖昧なんだけど…

応募書類に書く日付や名称は、正しい内容を記載してください。特に履歴書においては、日付や名称が曖昧だと採用担当からの不信感を招くことがあります。

  • 日付は西暦か和暦で全て統一する
  • ハローワークや日本年金機構で履歴照会
  • Googleなどで検索して調べる

名称が曖昧だったり、履歴書と職務経歴書で日時の不一致があったりすると、面接で余計な質問を受ける可能性があります。思い出せない所を曖昧なままにせず、きちんと調べてから記載しましょう。

まとめ|応募書類は転職活動の入り口

転職活動を始める際、必要になる応募書類。本記事では発達障害の方に向けて、書類ごとの役割や書くときのポイントについて紹介しました。

記事のまとめ
  • 基本は「履歴書・職務経歴書・障害の情報」の3点
  • 書類の内容は応募企業に合わせて微調整しよう
  • 発達障害・グレーゾーンを伝えない場合は書き方に注意

応募書類は企業に対し「あなた」をアピールする最初のプレゼン資料。応募書類をしっかり作り込むことで、面接へ進む確率を高めたり、内定までかかる時間が早めることが可能です。

まずはテンプレートなどを上手く使い、使いまわしできる雛形を作りましょう。そこから実際に求人へ応募する際、各企業ごとに手直ししてから送付してください。最初から作るよりも時間効率が高くなり、手直しだけで済むぶん誤字脱字も少なくなります。

発達障害を開示するかどうかで迷っている方は、開示・非開示の2パターンで応募書類を書いてみるといいでしょう。

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