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【例文あり】発達障害者が企業に刺さる自己PR文を書く3つのポイント|障害者雇用

  • アピールできる経験なんてしてないし、何を自己PRに書いたら良いんだろう
  • 自分の長所ってなんだ…? 勢いで書けると思ったけど、悩むばかりで筆が進まない
  • もう企業に申し込んじゃってるから、早く応募書類作り終わらせないとヤバイ!

応募書類の中でも描くのが大変な自己PR文。「強みをアピールしなきゃ」と必死に考えても、なかなか良い文章が書けない経験をお持ちの方も多いはず。

本記事では発達障害の方が自己PR文を書くときに、気をつけるポイントとアピールする特徴の見つけ方、筆者の実例を交えた例文を紹介します。

よしだ

自己PR文は数少ない応募書類のフリースペース!

結論を先にお話すると「自己PR文は企業ファーストで書く内容を組み立てる」ことが大切です。自分の主張は大切ですが、相手が何を求めているか意識することも非常に大切。読み手がほしい情報から逆算して自己PR文を考えましょう。

頑張って書こうとしたけど、なかなか良い自己PR文が思いつかなくて困っている。

そんな方は本記事をぜひ最後までお読みください。

タップできる目次

刺さる自己PR文を書く3つのポイント

応募書類を作るうえで、発達障害の方にとって書くのが難しいと言われている自己PR文。

  • 企業に魅力が伝わるのか不安
  • 自己PR文を書いてみたら自慢っぽく感じる
  • そもそも強みがよく分からなくて書けない

自分のことをアピールするのは、とても難しいもの。「他の人より特別すごいところもないし……」と、なかなか筆が進まない人も多いです。

結論からお話すると自己PRは、以下の3点を意識すれば、企業に魅力が伝わりやすい文章を書けますよ。

  • 企業ファーストで強みを伝える
  • 他職種の応募書類を使い回さない
  • 伝わりやすい文章の型を意識する

アピールすることは自分の中から引っ張り出すのではなく、企業が求めている求職者の姿から探してみましょう。

企業ファーストで強みを伝える

伝わる文章は読み手ありき。自己PR文は読み手である「企業ファースト」で求める情報を盛り込みましょう。自己PRでアピールするのは「実務に関係ない得意なこと」よりも「実務に使えそうなこと」です。

よしだ

採用担当が興味あるのは、実務にハマる人材かどうか!

企業は自己PRを通して、あなたが「部署に配属したときに仕事を振れそうか」を確認しています。実務に使えそうなスキルを具体例も織り交ぜつつ伝え、採用担当に「働くあなた」を想像してもらいましょう。

例)経理職の求人:コツコツ淡々と業務をこなす仕事→「集中力がある」「数字に強い」「ルーティン業務が得意」などがアピールポイントとして想像できる。

コツは求人内容から必要そうなスキルを想像し「わたしは持っています」と伝えること。このとき、入社後にどのような形で役に立ちそうか提示できたらなお良いですね。

アピールできる材料は各企業・仕事内容で異なるため、自己PR文は一社ずつ書き直すことをおすすめします。

他職種の応募書類を使い回さない

企業ごとに文章を考える「志望動機」と違い、自己PR文は一度作ったら使いまわしがち。

筆者がTwitterにて行ったアンケートでは、自己PRを使い回す人と毎回書き換える人どちらもいらっしゃる様子でした。

複数の職種に応募している場合、自己PRを使い回すと求人内容とアピールしているポイントが合わない可能性があります。

よしだ

体を動かす介護職に対して、事務職の経験から書類作成力をアピールしているとか。

年間で何百通も履歴書を読む採用担当は、コピペ文章を簡単に見抜きます。自己PR文は求人に合わせることが理想ですが、もし使い回す場合も「自己PR文が応募する仕事内容と合っているか」を念入りにチェックしてから書類を送りましょう。

伝わりやすい文章の型を意識する

文章には説得力があり相手に内容が伝わりやすい型があります。今回は特に使いやすい「PREP法」の紹介です。

PREP法は主にビジネスシーンで用いられる文章構成方法であり、簡潔かつ説得力のある文章を作成する際に用いられる。PREP法における「PREP」とは以下の
・P=Point(結論)
・R=Reason(理由)
・E=Example(事例、具体例)
・P=Point(結論を繰り返す)
の頭文字を取っている。最初に結論を伝え、次にその理由を説明、事例で理由を補強し、最後に結論を再度提示するストーリーを展開する。

引用元:Wikipedia

ざっくりまとめると、結論で詳細を挟むと覚えればOK。

例えば……

わたしは○○が長所です。~~~~~~~~、~~~~~~~~~。~~~~~~~~。○○は貴社業務の××を効率的に進めるための強みとなります。

また自己PR文の中には、いくつかのキーワードを組み込むと効果的。

  • 何をしたらどんな結果になった。
  • これまでの経験で身に付いた知識は何?
  • 障害特性はどんな影響があった?
  • どんな業務に貢献できるのか

上記内容が組み込まれた自己PR文を採用担当が読むと、どの業務にハマりそうな人材か想像できます。

業務内容にハマりそうな人材だと感じてもらえば「一度会って話がしたい!」と面接に進む確率が上がるでしょう。

▷ 障害者雇用向け履歴書の書き方まとめ

自己PRする特徴を見つける方法

  • 自分にはPRできる能力がない
  • 飛び抜けてすごいことができる訳じゃない
  • 自分の何をアピールしたらいいのか分からない

発達障害をお持ちの方は過去の経験から、自己肯定感が低くなりがち。

そんな方は次の3つを試してみてほしいです。

  • 課題を乗り越えた経験・工夫から探す
  • 親しい人や相談できる人に聞く
  • 適職診断を受けて気付きを得る

ポイントは自分目線ではなく企業目線で「この求人はどんなスキルを持った人が必要なんだろう?」と逆算して考えること。

企業が求めるスキルを持っていることを伝えれば、採用担当からの期待値を上げられますよ。

▷ 発達障害者が「強み」を見つける自己理解ツール

課題を設定し乗り越えた経験・工夫

過去のしごと経験や就労移行支援での通所経験などから、課題を自分で設定し乗り越えた経験・工夫を探してみてほしいです。

発達障害の特性を「ただツライ」と嘆かず「じゃあどうする?」と考えられた経験も、十分アピールポイントになりますよ。

課題の設定や乗り越えた経験は、仕事で問題にぶつかったときに「どう対処すればいいか知っていることの証明」になります。壁の前で立ち止まらず、どう乗り越えたらいいか考えられることはそれだけで魅力的。

入社当初だけでなく、仕事に慣れてきたあとに「少し難易度の高い業務を任せられる安心感」にも繋がります。

自己PR文に紹介するなら「問題解決力」や「自分で考える力」などの名前を付けると紹介しやすいです。

親しい人や相談できる人に聞く

自分の中でぐるぐると悩んでも解決しない場合は、親しい人や相談できる人に聞いてみることをおすすめします。

自分は気づけていないけど、周囲からはよく分かる長所」もあります。しかし普段はこのような混み合った話はなかなかしないもの。自分から機会を作り、直接聞いてみましょう。

よしだ

相談することで初めて気付ける長所もあるよ!

家族や友人はもちろんのこと、就労移行支援の支援者や、転職エージェントなどに頼ってみるのもアリですよ。

▷ 発達障害者にオススメの転職エージェント12選

適職診断を受けて気付きを得る

一部の転職サイトには、適職診断やあなたの資質をチェックするツールを無料で公開しています。適職診断の結果は長所やアピールポイントを見つけるヒントになりますよ。

職務経歴データの登録は少々手間ですが、履歴書と職務経歴書を書き写せばOK。転職サイトの登録時は手元に用意しておきましょう。

よしだ

一般求人の転職サイトは障害者手帳を持っていても普通に使ってOK!

診断結果はストレス耐性や性格など様々なデータが表示されるので、今後の就職活動に使えること間違いなしです。適職診断は無料で受けられるため、自己PRに行き詰まったり、就職活動の方針に迷ったりしたときにぜひ使ってみてくださいね。

▷ 「強み」を見つける自己理解ツール・適職診断

発達障害の特性を絡めた自己PRの例文

企業や職種に合わせた自己PRの例文をいくつか紹介します。

  • 例文1:シングルフォーカス×集中力
  • 例文2:筆者が実際に提出した自己PR文

例文1:シングルフォーカス×集中力

わたしの強みは高い集中力です。発達障害の特性上、目の前の作業にのめり込みやすい傾向があります。この特性により淡々と同じ作業を繰り返す仕事でも、集中力を切らさずに続けることができます。特にパソコンでのデータ入力を得意としており、何時間でも同じパフォーマンスを維持し続けることが可能です。貴社求人のデータ入力業務でも、集中力の特性を活かして貢献できると考えております。

発達障害によく見られる特性の「シングルフォーカス」を短所ではなく長所と捉え、仕事内容にマッチする強みとしてPRしています。特性を自己PRに絡めることで、発達障害はデメリットだけじゃないと企業に伝えることも可能です。

企業にメリットを提示し「業務に適正がある」と感じてもらいつつ、苦手なところへの合理的配慮をお願いすると理解を頂きやすいですよ。

例文2:筆者が実際に提出した自己PR文

【自分で調べる力】
私には物事を自分で調べて解決する力があります。これまでも分からない事や困った事が起きたらまず自分で調べ、より良い解決方法を模索してきました。初めて担当する仕事でも書籍やネットを活用して方法を調べたり、上司へ相談する前に少しだけ取りかかってみたりと、自分で改善方法を探して実行する力があります。前職でもExcelのVBAに挑戦したり、Power pointによる資料作成などにも率先してチャレンジしました。新しいことにもひるまず、調べながら進めていける事が強みです。

上記は筆者が実際に企業へ提出した自己PR文です。わたしには「自分で背負い込んでしまう白黒思考」があるため全部自分でやろうとする特性があります。この特性を前向きに捉えてポジティブな表現に変換して盛り込みました。

一方でこの状態が続くとメンタル面で危うくなるので、合理的配慮に「業務が立て込んだときに誰か相談できる方を付けて頂きたい」と記載し、万が一不具合が起きたときにフォローしてもらえる体制を依頼しました。

自己PR文と合わせて合理的配慮も考えよう

自己PRとセットで考えておきたいことは、発達障害の特性への「合理的配慮」です。

アピールできる良い面があるのと同様に、トラブルや不具合につながる面もあるのが発達障害。「ただ配慮しなきゃいけない人」ではなく「できることもあるけど、苦手なこともある人」というイメージを持ってもらうために、自己PRと合理的配慮はセットで考えておきましょう。

合理的配慮の考え方、書き方は、以下の記事で詳しく紹介しています。

▷ 企業に理解をもらえる合理的配慮の書き方

まとめ|自己PRは企業の知りたい情報を書く

本記事では障害者雇用の応募書類で頭を抱えがちな「自己PR」について紹介しました。

記事のまとめ
  • 自己PR文は1社ごと、企業ファーストで伝わる文章を意識する
  • アピールポイントは求人から逆算して刺さるスキルを探す
  • 発達障害の特性を絡めると自己PRの強みに説得力が増す

自己PRは応募書類の中で数少ない、自由にご自身の魅力をアピールできるスペース。

面接に呼んで話を聞いてみたい」と思ってもらうためにも、内容をブラッシュアップし魅力的な自己PR文を作りましょう。

出来上がった文章は転職エージェントや就労移行支援のスタッフといった、第三者の意見を聞くことも大切です。ご自身の魅力が伝わっているか、フィードバックをもらいながら仕上げると魅力的な自己PRが書けます。

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