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発達障害向けに転職の面接対策を完全解説!【事前準備と面接当日のポイント】

  • 緊張しやすいから、面接中に言葉が出なくなってしまいそうで怖い。
  • 面接官とのコミュニケーションが苦手で、会話がちゃんと成立するか不安。
  • 自己アピールが下手だから自分の強みを上手く伝えられない。自信がない。

発達障害を抱えた人が転職活動を行う上で最も難しいとされるのが面接です。発達障害によるコミュニケーションの困難や、緊張によるパニックなどにより「上手く面接で喋れないんじゃないか?」という不安を抱えている人も少なくありません。

本記事ではそんな発達障害を抱えた方に向けて、面接対策の具体的なやるべきことやアドバイスを順序立てて紹介します。

本記事に書いてある事を順番に実践していけば、書類選考を通過した一方で不安になっている方でも、自信を持って面接に進めるようになります。

面接対策は質問リストを作るだけで終わりではありません。複数の対策を実施することで、あなたも面接で高評価を得られるようになるでしょう。

  • 面接の日がどんどん近づいてきて怖くなっている
  • 書類選考が通ったけど何から手をつけたらいいか分からない

こんな方はぜひ、本記事を最後までお読みください。

タップできる目次

発達障害の人こそ面接対策が超重要

発達障害を持つ人こそ、面接対策をきっちりと行い万全の状態で面接に臨むことが超重要。発達障害の方の中には面接で不利な特性がある人も多く、対策せずに面接を受けると良い結果を残せない可能性があります。

  • 自分を客観視することが苦手
  • 対人コミュニケーションが苦手
  • 会話のキャッチボールが下手

など、面接官とのやりとりにおいてはデメリットとなります。しかし面接は他の候補者との相対評価になってしまうため、少しでも好印象を持ってもらうことが必要です。

  • 質問・回答リストを作り自分を客観視
  • 模擬面接でつまづきやすいポイントを見つける
  • 模擬面接で質問の意図を汲み取った回答をする練習

また何よりも事前に対策をしている安心感こそ、面接であなたのポテンシャルを引き出すポイントとなります。そのため発達障害の人は、事前に面接対策しておくことが非常に重要です。

面接前に行う5つの事前準備

面接は事前準備の精度によって結果が大きく変わります。書類選考が通過してから面接当日までをどうやって過ごすかが非常に重要なため、以下5つの準備にできる限り時間を割くといいでしょう。

  • よく聞かれる質問と回答を作る
  • 改めて企業研究をして意識を高める
  • 模擬面接を受けて場慣れする
  • 模擬面接の姿を動画に撮って振り返る
  • 当日の持ち物・服装・移動手段を用意する
よしだ

質問と回答リストを作るだけじゃ良い結果は得られない!

よく聞かれる質問と回答を作る

面接でよく聞かれる質問をリスト化し回答を作ることは、事前準備の中でも最も基本的な対策の一つです。

発達障害を持つ方の中には自己紹介や志望動機など、自分の能力を主張することに苦手意識を持っている場合があります。しかし、事前に回答を作っておき繰り返し伝える練習をすれば、自信を持って面接を受けることが可能です。

障害者雇用の面接でよくある質問の例は

  • 自己紹介
  • 強み・弱み
  • 志望動機
  • 自己PR
  • 退職理由
  • 障害と特性
  • 配慮してほしいこと

などが挙げられます。回答の作り方はできるだけ簡潔にまとめ、「結論→具体例」の順番で答えられるといいでしょう。

また面接の質問は表面的な内容だけでなく、重点的に深掘りする可能性があります。可能な限り自分で作った回答に対して更に質問を考え、トピックごとに対策を立てておくことをオススメします。

▷ 障害者雇用の転職面接でよく聞かれる25個の質問と回答例

▷ 面接で必ず聞かれる逆質問「何か質問はありますか?」対策

▷ 障害者雇用の深掘り質問を乗り切る3つのポイント

改めて企業研究して意識を高める

応募企業に対して改めて企業研究をして、面接に向けて意識を高めることが有効です。応募書類を作ってから日数が経っているため、求人への志望理由や特に魅力を感じた点を忘れてしまっている可能性があります。

求人票や企業HPなどを見返して、応募に至るまでに考えたことを思い出してみてください。

またご自身で書いた志望動機や自己PRの文章を見直して、応募時点と現在で求人への志望度が動いているかチェックすることも大切です。

模擬面接を受けて場慣れする

面接は面接官とのコミュニケーションで成り立つため、想定質問と回答を作るだけでは上手く喋れません。支援者や転職エージェントなどの力を借りて、模擬面接で練習し慣れておくことをオススメします。

面接対策として模擬面接を受ける理由は以下の通りです。

  • 面接そのものに慣れることができる
  • 質問の回答を声に出して伝える機会になる
  • 緊張してしまった時の挙動を客観視できる
  • 障害特性を伝える方法を探ることができる
  • 話し方、印象、表情を客観的に確認できる

模擬面接を受けることで、面接に対する緊張感が軽くなり、自信を持って臨むことができます。また、よく聞かれる質問や回答の作り方、障害特性を伝える方法などを模擬面接の中で試行錯誤することができ、実際の面接での回答の精度が向上します。

話し方・印象・表情を客観的に確認したり、面接相手からフィードバックを受けたりすることで、自分がどのような印象を面接官に与えているか知ることができます。

模擬面接は短い時間で多くの発見を得ることができる、面接対策の中でも最も効果的な方法の一つです。積極的に実施すると良いでしょう。

模擬面接の姿を動画に撮って振り返る

模擬面接を実施する際は、スマホやPCの録画機能を使って面接を受けている姿を撮影しましょう。面接を受けている姿を自分自身で確認できるため、客観視が苦手な方でも改善点を見つけられます。

面接対策で動画撮影することのメリットは以下の通りです。

  • 面接中の姿勢や表情などを振り返れる
  • 緊張してしまう場面を事前に予測できる
  • 喋り方・話す速度・抑揚・声量を確認できる
  • 面接を受けるときの身だしなみをチェックできる

動画撮影のデメリットは自分の姿を直視して恥ずかしさを感じることだけで、損することはありません。

動画撮影した後は、自分自身で見直したり、周囲の人に見てもらってアドバイスをもらうことができます。模擬面接と動画撮影を繰り返し、自信を持って面接に臨めるようにしましょう。

当日の服装・持ち物・移動手段を用意する

面接当日に備えて、服装や持ち物、移動手段をしっかりと準備しましょう。具体的には、以下4点の準備が必要です。

  • 服装
  • 身だしなみ
  • 持ち物
  • 移動手段

面接時の服装は企業や業界によって異なりますが、一般的にはスーツを選んでおけば問題ありません。スーツ、シャツ、ネクタイなどはシワや汚れを落とし、靴は靴磨きを使って磨いておきましょう。

服装以外の身だしなみでは、髪や眉毛、ヒゲなどのお手入れをオススメします。髪の毛が伸びている場合は美容室で整えてもらい、必要であればセット方法も教えてもらいましょう。眉毛やヒゲは目に留まりやすいパーツのため、前日までに整えてください。

持ち物は筆記用具やスマホの他に、企業へ提出した履歴書・職務経歴書などのコピーを用意しておきましょう。面接は応募書類に書いてある内容の中から質問されることが多いため、面接会場へ入る前に軽く見返しておくと安心です。

面接会場への移動手段は事前にルートを調べ、可能であれば第二案まで用意しておくことをオススメします。電車やバスで移動する場合は最短ルートの他にもう一つ、車の場合は駐車場を2つ以上リストアップしておくと万が一交通トラブルが起きたときでも対処が可能です。

面接当日の手順とポイント

面接当日の手順や、注意すべきポイントなどをまとめました。事前準備を済ませて極力トラブルを減らし、落ち着いた気持ちで面接を受けられるようにすることが大切です。

  • 面接前の注意点
  • 一次面接
  • 面接でよくある困りごとの対処法
  • 面接後にやること
  • よくある質問内容と回答例
よしだ

面接は事前準備がメイン!当日は本来の力を発揮するだけだよ。

面接前の注意点

面接の準備は前日までに整え、当日はできるだけトラブルが起きにくいようにしておくことが大切です。面接当日は可能な限り移動するだけで済むようにしておき、万が一のリスクを減らしておきましょう。

  • 忘れ物がないか出発前に再確認
  • 面接会場には早めに到着する
  • 面接前に予定を入れない

忘れ物がないか出発前に再確認

面接当日は忘れ物がないか出発前に再確認しましょう。当日に忘れ物をしてしまうと取りに戻る時間をロスしてしまったり、焦りから面接に集中できず本来の力を発揮できなくなってしまいます。特に発達障害の方は忘れ物をしやすいタイプの人もいるため、チェックリストを紙で用意しておく、前日までにバッグへまとめておくなどの対策が必要です。

また万が一トラブルがあった場合に備えて、応募先の電話番号や担当者の名前をスマホのメモに残しておくと安心です。

面接会場には早めに到着する

面接会場は予定時間よりも30分~1時間ほど早く到着し、近所で時間まで待機することをオススメします。前日までに交通手段や道順などを確認しておき、余裕を持ったスケジュールで移動しましょう。

もし早めに到着したらトイレや鏡で身だしなみの再確認をする、建物の入り口を探しておいて時間になったらすぐに入れるようにしておく等も有効です。

車で移動する場合は有料駐車場の候補をいくつか探しておき、面接会場の駐車場が満車で停められないときでも他の駐車場へ停められるように準備してください。

面接前に予定を入れない

面接当日は余計なトラブルに巻き込まれないためにも、直前は可能な限り予定を入れないようにしましょう。面接前の予定が長引いてしまうリスクや、移動時間がカツカツになり動揺してしまう可能性もあります。

発達障害の方の中には「ギリギリの時間だけど何とかなった」という成功体験を持つ人もいますが、大切な転職面接では余裕を持って行動し、メンタルのコンディションを整えることが大切です。

また万が一面接に遅刻してしまった場合は、本来受かるはずだった求人がお見送りになってしまうこともあるでしょう。移動時間と現地で待機する時間を含めて、面接前は1時間~2時間の空白時間を作ることをオススメします。

よしだ

面接の遅刻は厳禁!普段は予定詰め詰めの人も余裕を持った行動を!

面接のポイント

面接は採用プロセスの中でも特に重要です。面接官と初めて顔を合わせることになるため、書類だけでは伝わらないあなたの人物像も判断材料

面接では持っているスキル・能力以外に、人柄や部署の既存社員と打ち解けられるかなども判断されます。

面接でキャラクターを作りすぎて、採用後に印象が逆転してしまっては面接の意味がありません。「面接ウケ」を狙いすぎず、自然なコミュニケーションを取るように心がけてください。

面接時のポイント・対策については、以下の記事で詳しく紹介しています。

▷ 障害者雇用の面接ポイント

面接でよくある困りごとの対処法

面接では想定外の流れに戸惑ったり、緊張して頭が真っ白になったりと、様々な困りごとが発生します。本記事ではその中でも特に多い、以下2つの困りごとについて紹介します。

  • 緊張してしまったときの対処法
  • 予想外の質問が来たときの対処法
よしだ

面接は想定外の連続!さまざまな対処法を知っておこう。

緊張してしまったときの対処法

面接で緊張してしまうのは、誰にでもあることです。しかし発達障害の方にとっては緊張が過剰になり、パニックに陥ってしまうこともあります。一度気持ちが乱れてしまうと、平常心を取り戻せずに面接が終わってしまうこともあるでしょう。ここでは面接中に緊張してしまったときに、試してほしい対処法を3つ紹介します。

  • 姿勢を正して深呼吸する
  • 意識してゆっくり話す
  • 「緊張している」と面接官に伝える

もし自分自身で緊張に気づいた場合は、改めて姿勢を正して、大きく深呼吸してみましょう。緊張状態では呼吸が浅くなるため、酸素がうまく取り入れられない状態になってしまいます。まず息を全て吐き切り、その後に大きく息を吸うとうまく深呼吸できます。

緊張すると早口になってしまう方は、口調に注意を向けてゆっくり話すと落ち着くこともあります。ゆっくり話すためには意図的に「、」「。」を増やしてみると、早口を止めることができますよ。

どうしても緊張が強く対処できない場合は、面接官に「実はかなり緊張しています」と伝えることも有効。緊張を相手に伝えるだけで落ち着きを取り戻せることも多く、無理に会話を進めるよりも一旦リカバリーする時間をもらった方が効果的な場合もあります。

よしだ

誰だって面接は緊張するよ!緊張から脱出する方法を身に付けよう。

面接で緊張する人は多いですが、緊張そのものは真剣に面接と向き合っている証拠。しかし緊張をリカバリーする術がないと、仕事でもトラブルがあったときに冷静さを取り戻せない人と思われてしまう可能性があります。

面接本番でマイナスイメージを持たれないためにも、模擬面接などをうまく活用して練習しましょう。緊張を一人で乗り越えられるスキルは、面接だけでなくその後の仕事にも役立ちます。

予想外の質問が来たときの対処法

面接では事前準備で全く想定していなかった質問をされることが稀にあります。

発達障害を持つ方は、その場で考えることが苦手だったり、緊張すると頭が真っ白になってしまうことがあるため、予想外の質問に対処するのは難しいかもしれません。しかし以下のポイントを押さえておくことで、冷静に乗り切ることが可能です。

  • 質問と同じ言葉をオウム返しし、時間稼ぎをしつつ考える
  • 「予想外の質問でした、少し考えさせてください」と伝える
  • 回答が難しい場合は素直に伝える

まず質問と同じ言葉をオウム返しで返答し、考える時間を稼ぐことが有効です。例えば…

面接官:あなたにとって働くとはなんですか?
求職者:私にとって働くとは、ですね。働くとは~~です。

また奇をてらった質問をし、反応を見るような面接官もいます。その場合は…

面接官:あなたを色で例えたら何色になりますか?
求職者:色…ですか。それは予想外の質問でした。少し考えさせてください。

どうしても返答が思いつかず回答できない場合は、素直に難しいことを伝えてしまうのも一つの手です。そのとき質問の意図などを聞き返してみると、答えやすくなる可能性もあります。

「想定しておらずお答えが難しいです。申し訳ありません。○○との質問ですが、その意図をお聞かせいただくことは可能でしょうか?」

予想外の質問に対して冷静に対処できるよう、事前準備で様々な質問について自分なりの回答を用意しておくことをオススメします。また、自己分析をしっかり行い、自分が持っているスキルや経験を整理しておくことも大切です。

それでも突飛な質問を投げかけてくる面接官や、質問意図が伝わらないケースなど、面接はその場の対応スキルが求められます。模擬面接を何度も行い「場慣れ」することも面接対策として非常に有効です。

よしだ

転職の面接は場数を踏みにくいからこそ模擬面接がとても大事。

面接後にやること

無事に面接が終わっても、すぐに気を抜いてはいけません。面接後は次につなげるための重要な時間。重圧から開放された気持ちも分かりますが、以下3つを忘れずに実施してください。

  • 面接会場を出るまで気を抜かない
  • 面接内容を振り返りメモを取る
  • 面接のフィードバックをする
よしだ

面接は「ありがとうございました」で終わりじゃない!

面接会場を出るまで気を抜かない

面接が終わったあとも、建物を出るまでは気を抜かず丁寧な立ち居振る舞いを心がけましょう。面接室を出てすぐ態度を崩したり、「面接は終わったから」と他の社員の方に挨拶しないなどは印象が悪くなる可能性があります。

また面接で手応えを感じられなくても、正式な合否が出るまでは前向きな気持ちを忘れずに持ち続けましょう。自分では失敗したと思った点が企業側にとって重要ではなく、思いがけず良い結果が出ることもよくあります。

受かってたはずの面接を落とさないためにも、最後まで気を抜かず丁寧な対応を心がけましょう。

面接内容を振り返りメモを取る

面接が終わったら、できるだけ早くその時の面接内容を振り返り、メモを取ることが重要です。面接の流れや質問内容、自分が回答した内容や受け答えの様子をメモに残しておくことで、他の企業面接に応用したり、二次面接へ進んだ際の参考にしたりすることができます。

近くのカフェや落ち着いて座れる場所を確保し、30分程度の振り返り時間を設けましょう。メモを残す内容は以下をオススメします。

  • 最初に雑談はあったか?またその内容
  • どんな質問を受けたか?どう返答したか?
  • 面接官の人数と、覚えていれば名前
  • うまく答えられなかった質問の内容
  • 自分自身でうまくいったと思った点

発達障害を持つ方の中には、短期記憶が苦手で思い出すことが難しい人もいます。面接内容が記憶から抜け落ちてしまう前に、素早くメモに書き残しましょう。面接後のメモを繰り返すことで、少しずつ面接に対する自信を付けていくことができます。

面接のフィードバックをする

面接後には面接内容を振り返り、自己分析をすることが大切です。面接内容をメモすると同時に、自分自身で面接の印象を再確認しましょう。

  • うまく回答できなかった質問を改めて考える
  • 会話がはずんだシーンを思い返す
  • 想定外の質問への対応を振り返る

転職エージェントを経由して面接を受けた場合、エージェント側に企業からのフィードバックが提示されている場合が多いです。面接後はエージェントと連絡を取り、企業側の反応や印象を聞き出しましょう。

受けたフィードバックを次の面接への課題として、自己分析の材料にすることができます。

発達障害者の面接でよくある質問内容と回答例

発達障害者の転職面接でよくある質問内容と回答例を紹介します。

  • 自己紹介をお願いします。
  • 当社を志望した理由は何ですか?
  • あなたの強みを教えてください。
  • 退職理由を教えてください。
  • 発達障害とはどんな障害ですか?
よしだ

テンプレ質問はキッチリ答えられるようにしておこう!

障害者雇用の転職面接でよくある質問については、以下の記事で更に詳しく紹介しています。

▶ 障害者雇用の面接で聞かれること25個と回答例

自己紹介をお願いします。

自己紹介は面接の冒頭で必ず聞かれる質問です。自己紹介ではあなたの基本的な情報を簡潔にまとめて、1分程度で話し終わるボリュームで伝えましょう。

例)
よしだと申します。本日はお時間を頂きありがとうございます。私は現在、○○社で総務職を担当しており、メイン業務はデータ集計です。PowerPointを使ったプレゼン資料作りが得意で、他部署からも作成依頼を頂くことが多いです。私は自閉症スペクトラム障害という障害を持っております。本日はよろしくお願いいたします。

自己紹介はあくまであなた自身の紹介であり、職歴や障害特性などの詳細説明は行いません。

  • 名前
  • 職務経験
  • 長所
  • 障害のこと

をサラッとまとめて、詳細は面接官に質問してもらうようにしましょう。

当社を志望した理由は何ですか?

いわゆる「志望動機」です。数多くの求人から、なぜこの会社を選んだかを答えましょう。

志望動機には以下の3点を盛り込むと、説得力のある説明ができます。

  • 熱意:職種への志望理由・適正・経験
  • 相性:この企業へ応募した理由・魅力
  • 締め:採用後の熱意・貢献したい思い

例)
私は現職の総務経験を経て、労務に特化した仕事をしたいと思うようになりました。御社では総務の中の役割に労務が入るのではなく、労務だけに絞った専門性のある業務範囲に魅力を感じております。また趣味で関わりのあるWeb領域の企業であることも、御社に志望した理由のひとつです。ぜひ御社の一員として、会社の土台を支えられる人材になりたいと思い応募いたしました。

応募書類に書いた志望動機の内容をベースに、深く掘り下げながら伝えると好印象につながります。志望動機のポイントは「私にとって、御社はマッチしている」と伝えることです。

志望動機の考え方は、以下の記事で詳しく紹介しているので参考にしてください。

▷ 障害者雇用の志望動機を作るポイントを紹介

あなたの強みを教えてください。

あなたの「自己PR」を聞くための質問です。応募企業に対してあなたが提供できるスキルや、業務をするうえで長所となる性格・実績などを伝えてアピールしましょう。

応募している求人の業務内容に経験があれば「これまでの経験」を、未経験の場合は「長所や別職種から転用できるスキル」などを紹介すると効果的です。企業がどんなスキルを求めているか想像し、逆算して「持っているアピール」をするのも良いでしょう。

例)
私の強みは自分で調べる力です。私には物事を自分で調べて解決する力があります。これまでも分からない事や困った事が起きたらまず自分で調べ、より良い解決方法を模索してきました。初めて担当する仕事でも書籍やネットを活用して方法を調べたり、上司へ相談する前に少しだけ取りかかってみたりと、自分で改善方法を探して実行する力があります。前職でもExcelのVBAに挑戦したり、Power pointによる資料作成などにも率先してチャレンジしました。新しいことにもひるまず、調べながら進めていける事が強みです。

自己PRで伝える内容は応募書類に書いた自己PR文をベースにして、より深掘ったりエピソードを混じえたりしながら詳細に話していきます。自己PRのポイントは「御社にとって、私はマッチしている」と伝えることです。

自己PRの考え方は、以下の記事で詳しく紹介しているので参考にしてください。

▷ 発達障害者向け自己PR作成の手順

退職理由を教えてください。

転職面接では必ずといっていいほど聞かれるのが、現職(前職)を退職する理由。直近の勤務先だけでなく、過去の職場それぞれの理由を聞かれると思っておいた方が良いでしょう。

  • 退職の経緯を分析できているか?
  • 今回の転職では退職の原因を払拭できているか?
  • 全て環境や他人のせいにし、思考停止していないか?

退職理由は他責(※原因を他人のせいにすること)ばかりに目がいってしまうと、企業側は「自分で改善を試みることができない人だ」と判断してしまう可能性があります。たとえ他人や職場が退職理由の中心だったとしても

  • 自分でできる範囲の行動を起こしても改善できなかった
  • 退職当時は思考が至らなかったと反省していることを伝える

など、愚痴や不満を述べて終わらないようにしましょう。過去に囚われすぎてネガティブな印象が残ってしまいます。

例えば業務切り出しが丁寧な一方で、画一的すぎてつまらない事が転職理由の場合は以下が考えられます。

例)
○○社を退職した理由は、当時の気持ちを正直にお伝えすると「もっと自分で工夫できる仕事をしたかったから」です。○○社では業務の切り出しを丁寧にして頂いたため働きやすい反面、自分で工夫できる範囲が狭いと感じておりました。今思い返すと△△の部分では自分なりにやりがいを見出だせていたことや、新しい仕事に挑戦したい気持ちの自己発信が足りていなかったと思います。今回の転職では2点、まず頂いた仕事を丁寧にこなすこと、自分のできる事を自己発信することを徹底したいと考えております。

退職理由は人それぞれ、勤めていた環境ごとに全く異なるため、ご自身で見つめ直して考える必要があります。前職の不平不満だけに終わらず「当時を振り返って今できること」まで目を向けて考えましょう。

発達障害とはどんな障害ですか?

障害者雇用の転職活動では、通常の面接質問の他、障害に関する質問も多く聞かれます。しかし面接官は「発達障害」「ASD」「ADHD」「LD」など障害に対する個別のプロではありません。そのため自分の障害特性を言葉にして伝える努力が必要です。

特に発達障害は人それぞれ特性が異なるため分かりにくいうえに、書籍やネット情報を鵜呑みにして「発達障害とはこういう性質の人だ」という思い込みを持っている面接官もいます。どんな障害なのか質問されたら一般論の他に、あなた自身の特性まで伝えて理解を得られるようにしましょう。

例えば私の場合は自閉症スペクトラム障害の診断が出ていますが、一般的にADHDの特性と言われるような不具合も持ち合わせています。そのため面接では以下のように答えました。

発達障害は一部、普通の人よりも苦手な事がある障害です。私の場合は発達障害という大きな枠の中で自閉症スペクトラム障害という診断が出ています。主な障害特性は「物事に集中しすぎてしまい周りが見えなくなることがある」「優先順位をつけることが不得意」「予定の割り込みが苦手」の3つです。自分でもToDoリストを作ってトラブルが起きないよう努力していますが、手に負えなくなったときだけでも相談できる方を紹介していただけると助かります。

障害のことを質問されたら、そのまま企業側が配慮すべきポイントの確認に移ることが多いです。回答の中に配慮の希望を盛り込むことで、スムーズにすり合わせへ繋げることもできます。

企業に配慮を求めるときの伝え方やポイントは、以下の記事で詳しく紹介しています。ぜひこちらもお読みください。

▷ 発達障害の人が配慮を求めるときの書き方・伝え方ポイント

面接対策は相談相手の有無が成功の鍵

転職活動において面接は避けて通れない一つの壁です。特に発達障害の方にとっては、面接官とのコミュニケーションがうまくできず悩む方も多いでしょう。もし一人で面接対策することが難しいと感じる場合は、障害支援や転職支援をうまく使いサポートしてもらってください。

友人や家族に相談することも可能ですが、上記支援者は転職活動のプロ。求職者目線だけでなく採用する企業側の視点からもアドバイスを受ける事が可能です。

面接対策は一人で行うには限界があります。サポートしてもらえる相談相手を見つけ、積極的に模擬面接を行い自分自身をアピールできるよう準備しましょう。

よしだ

孤独な転職活動はうまくいかないことも多いよ!

まとめ|面接対策をすれば成果が変わる

本記事では発達障害をお持ちの方に向けて、面接対策の方法をまとめて紹介しました。

記事のまとめ
  • 面接前・面接当日・面接後にやるべきこと
  • 事前対策をしっかりすれば面接は乗り切れる
  • 面接が不安な人は相談相手を作ると良い

発達障害を持つ方の中には、面接に対して不安や恐怖心が強い方も多いです。しかし面接は事前準備を丁寧にすることで、「喋れない」「目を見れない」などの不安や「何を聞かれるか分からない」といった怖さを軽減することが可能です。

あなたもぜひ本記事の内容を参考にして、次回の面接を自信持って乗り越えてきてください。

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