- 書類選考が通ったんだけど、このまま内定いける?
- 一次面接でどんな評価を受けるか分からなくて不安
- 本番でちゃんとコミュニケーション取れるかなぁ…
転職活動では書類選考が通過したら、面接による評価が行われます。
発達障害がある人にとって、初対面でのコミュニケーションは緊張しやすいもの。言いたいことがまとまらず、「変に見られたらどうしよう」と不安になることは多いです。

落ち着いて、うまく自分を売り込もう!




本記事では一次面接で見られやすいポイントと、発達障害がある人向けの「一次面接対策」を紹介します。
面接は準備が9割。面接当日よりも、前日までの準備が大切です。丁寧に対策しておけば、安心して本番に臨めるでしょう。
- 面接が不安で落ち着かない
- この求人で結果を出したい
そんな方は本記事を、ぜひ最後までお読みください。
発達障害がある人は一次面接の「準備」が大切


一次面接は企業にとって、応募者の人となりを確認する大切なステップ。履歴書や職務経歴書だけでは見えない部分を、面接官との対話によって評価されます。
発達障害がある人にとっては、この「初対面のコミュニケーション」が難しく感じやすいポイント。言いたいことがうまくまとまらなかったり、緊張で思考が止まってしまったりすることもあるでしょう。
だからこそ、準備の有無が結果に大きく影響します。
事前に「聞かれそうな質問」への答えを整理ておくだけで、不安や緊張は楽になります。自分の言葉で話す準備ができていれば、落ち着いて面接に臨めるでしょう。
一次面接ではスキルや経歴だけでなく、働く意欲を伝えることも大切。そのためにも、面接官が受け取りやすい「伝え方」を工夫しましょう。



しっかり準備して面接に臨もう!
【重要】一次面接で見られるポイント5つ


一次面接を乗り越えるには、以下5つのポイントを押さえることが大切です。面接での自信を高めることで、選考通過の可能性が上がります。
- 応募理由に一貫性があるか
- 職歴や退職理由に納得感があるか
- コミュニケーションが円滑にできるか
- 働く意欲や安定性があるか
- 障害特性と配慮の伝え方が適切か



大事なのは面接当日よりも事前準備!
応募理由に一貫性があるか
一次面接では、応募書類の内容をさらに深掘って、具体的な志望動機や自己PRなどを質問されます。
書類に書いたことをそのまま伝えるのではなく、数字やエピソードを加えて具体的に説明することが大切です。
- 多くの求人からこの会社を選んだ理由
- なぜこの職種で働きたいのか?
- 自分のどんな強みが仕事に活きるのか?
発達障害を開示して働く場合、特性や興味関心とのつながりから説明するのも良いでしょう。
内容が漠然としている場合、「本当にこの仕事で働きたいの?」と不安を与えてしまうかもしれません。
困ったときは過去の経験や希望条件を書き出し、整理してみましょう。
職歴や退職理由に納得感があるか
これまでの職歴や退職理由についての「納得感」は大切です。
職歴が一貫していない場合でも、自分の言葉で経緯や意図を説明できるようにしましょう。
- これまでの職歴を時系列で整理する
- 退職や転職に至った理由を明確にする
- 今後どう働きたいかを具体的に言語化する
無理によく見せようとしたり、経歴を偽ったりする必要はありません。それよりも、これからどう働いていきたいかに話を持っていく方が好印象につながります。
障害者雇用やオープン就労で転職を進める場合、短期離職やブランクについては丁寧に話せば一定の理解を得られるケースが多いです。
クローズ就労を選ぶ場合でも、ご自身の経歴を受け止め、過度な装飾をせずに今後の展望を伝える方が良いでしょう。
事実に向き合いつつ、「これからどうするか」にフォーカスを当てるよう意識してください。
コミュニケーションが円滑にできるか
一次面接では、質問へ端的に答えたり、相手の話に反応したりといった「会話のキャッチボール」ができるかも見られます。
面接だけでなく、入社後に周囲と適切なコミュニケーションを取れるかも判断材料です。
- 仕事の指示をきちんと受け取れるか
- 上司や同僚と自然にやり取りできるか
- 質問と回答がかみ合っているか
面接では自分らしく、バランスよく話せるかを意識しましょう。
回答の流れに迷ったら、「結論 → 理由 → 具体例」の順番で話すことを意識してみてください。
発達障害がある人のなかには、会話のテンポや間の取り方が難しい人もいます。
本番で焦って一方的に話しすぎたり、緊張して頭が真っ白になったりしないよう、事前に練習しておくと安心です。
不安がある人は、模擬面接で練習しておくのもオススメです。
≫本番に向けた効果的な模擬面接のポイント5つ
働く意欲や安定性があるか
企業側は面接で、採用した人が「長く安定して勤務してくれるか?」を判断しています。
採用には、大きなコストや時間がかかります。せっかく採用しても、すぐに退職されると企業にとって大きな損失です。
そのため面接では、働く意欲や自社への志望度についても確認されます。
- 継続的に働く意思があるか
- 働き方や体調管理に工夫があるか
- 面接態度から誠実さや責任感が伝わるか
発達障害がある人が安定して働くには、特性への対処が不可欠。
障害者雇用やオープン就労であれば、配慮を前提に「自分でもできる工夫」も伝える必要があります。
クローズ就労の場合は「特性だから」と済ませず、ツールや仕組みを使って特性を飼い慣らすことも大切です。
「働きたい意欲」と「安定して働ける工夫」の2つを、面接で伝えられるよう準備しておきましょう。
障害特性と配慮の伝え方が適切か
オープン就労の場合は、特性や配慮の伝え方も一次面接で判断するポイントになります。
単に「これができません」ではなく、背景や対処法、配慮の内容まで伝えると効果的です。
具体的には、次の3点を整理して伝えられるよう準備しましょう。
- 特性による困りごとを簡潔に説明する
- 自分なりの工夫・対処法を伝える
- 企業にお願いしたい配慮を具体的に伝える
たとえば「電話対応が苦手」と伝える場合、メールやチャットなら対応しやすいことや、自分なりにメモの取り方を工夫している点も合わせて伝えましょう。
配慮を伝えるコツは「できない」視点よりも「こうすればより活躍できる」視点で説明すること。内容が具体的であるほど、企業側も受け入れやすくなります。
発達障害と配慮の伝え方については、以下の記事で詳しく説明しています。
面接に向けて準備すること3つ


この記事では面接準備で特に重要な、以下の3つを紹介します。
- 想定質問と回答を考えておく
- 模擬面接を受けて面接に「場慣れ」しておく
- 身だしなみや当日の動きをシミュレーションする
しっかり準備をしたうえで面接本番を迎えたい方は、「面接対策まとめ」の準備の項目も合わせておよみください。



前日までにきっちり準備!
想定質問と回答を考えておく
面接は準備の段階で、よく聞かれる質問と回答を考えておきましょう。
事前に「台本」を考えておくことで、当日の不安や緊張を大きく減らせます。
- 自己紹介
- 志望動機
- 職務経歴や退職理由
- 障害特性と配慮(オープン就労の場合)
- 体調面や働き方に関する質問
発達障害がある人の中には、「頭の中で考えていたことが、うまく言葉にできない」ということが起こりやすい人もいます。
伝えたいことが支離滅裂になったり、言語化に時間がかかったりすることもあるため、事前に想定質問と回答例を整理しましょう。
回答例が完成したら、声に出して練習しておくのも有効です。
「なぜ?どうして?」と掘り下げながら、自分の考えや経験を深めておくと、本番でもブレずに答えられるようになります。
詳しくは以下の記事で、質問や例と答え方のコツをまとめています。ぜひ参考にしてください。
模擬面接を受けて面接に「場慣れ」しておく
面接本番では、緊張によって普段どおりに話せなくなることがあります。
特に発達障害がある人は、予想外の質問や、ピリッとした場の雰囲気に戸惑いやすいです。
事前に模擬面接を受け、面接への「場慣れ」をしておきましょう。
模擬面接を受けることで、以下のような効果があります。
- 実際のやりとりのテンポや雰囲気に慣れる
- 回答の内容や順序に違和感がないか確認できる
- 表情・声のトーン・目線など、非言語の部分も含めてチェックできる
エージェントや支援機関を利用すれば、面接官役として第三者にフィードバックをもらうことも可能です。
一人で練習するのが難しい場合は、積極的に頼りましょう。
不安を抱えたまま当日を迎えるよりも、「この質問が来たらこう答えよう」と準備しておくことで、落ち着いて対応しやすくなります。
模擬面接の効果を高めたい方は、以下の記事も参考にしてください。
身だしなみや当日の動きをシミュレーションする
面接当日は緊張や不安で、いつも通りの行動が難しくなることがあります。
だからこそ、やるべきことは前日までに済ませておきましょう。
- 服装の確認:スーツや靴の汚れ、髪型や爪など清潔感
- 持ち物の準備:応募書類コピー・メモ帳・面接会場の地図など一式
- 移動ルートの確認:会場への行き方と時間、乗り換えや予備ルート
ここまで準備ができていれば、当日は面接会場に向かうだけでOK。忘れ物やトラブルに慌てることなく、面接に集中しやすくなります。
不安を減らすには、「当日に考えなくていい状態」を作っておくことが大切です。
詳しくは面接対策についてまとめた、以下の記事で紹介しています。
一次面接の流れと当日の注意点


面接当日の流れは、以下の通り。面接の所要時間は30分~1時間程度が一般的です。
一次面接を通過した場合に、数日~1週間程度で次の選考(二次面接)の連絡が届きます。
面接会場に着いたら、まず受付で「○時から面接のお約束をしている○○と申します」と伝えましょう。企業によっては別室に案内される場合もあるので、案内に従ってください。
面接官に呼ばれたらドアをノックし、入室してください。面接官より先に、部屋へ案内されることもあります。
入室後は「本日はよろしくお願いいたします」と挨拶を伝え、面接官の指示に従って着席します。
面接官からご自身のことについて、いくつかの質問を受けます。事前に想定される質問への回答を考えておくと、落ち着いて答えられます。
想定外の質問が来ても焦らず、意図を理解しながら自分の言葉で答えましょう。
面接が終わったら、面接官に「本日はありがとうございました」と挨拶を伝えて退室します。退室後も油断せず、会場の外に出るまでは丁寧な対応を心がけましょう。
面接は企業から「一方的に評価を受ける場」ではありません。私たちも「この会社で安心して働けそうか?」を見極める機会でもあります。
面接時に「どんな働き方なら力を発揮しやすいか」を、分かりやすく説明することが大切です。
障害者雇用の場合でも、企業はあなたの特性や、必要な配慮を十分に理解しているとは限りません。一般の面接以上に「お互いを知る」というスタンスで臨みましょう。



私たちも「これから働く会社」を見極めよう!
面接が終わったら「振り返り」を実施


一次面接が終わったら、そのまま気持ちを切り替えるのではなく、一度立ち止まって振り返りをしておきましょう。
- 質問内容と自分の回答をメモする
- うまく話せなかった点を整理する
- 次回への改善ポイントを洗い出す
転職エージェントを使っている場合は、面接後に連絡してフィードバックを受け取ることも大切です。
次の面接の準備につながる大事な作業なので、忘れずに実施しましょう。
振り返りの方法については、「面接対策まとめ」で紹介しています。こちらも参考にしてください。



面接後のアクションがとても重要!
一次面接で落ちた場合の切り替え方


一次面接で不採用になった場合、落ち込むのは当然です。しかし落ち込んだからといって手を止めてしまうと、転職活動の期間がどんどん長引いてしまうリスクがあります。
まずは面接での回答や準備などを振り返り、改善点を見つけることから始めましょう。
- 転職エージェント経由で不採用理由を聞く
- 面接の受け答えに不備がないか振り返る
- 身だしなみや話し方は適切だったか思い返す
私たちに問題はないものの、企業側との相性が悪く不採用となる場合もあります。全てを「自分が未熟だから」と背負い込まず、割り切って考えることも大切です。
障害者雇用の場合、合理的配慮の整備が難しいケースや、既存社員との相性が良くないケースもあります。
面接で不採用になった求人は、あくまで数ある選択肢のひとつ。立ち直れなくなる前に、次の求人へ応募し無理やり動いてしまうのも、案外有効だったりします。



不採用でも落ち込むな!って方が無理あるよね。
二次面接や最終面接との違い


面接は一般的に、一次・二次と複数回に分けて行われます。それぞれで面接官や評価の観点が異なるため、違いを把握しておきましょう。
面接回 | 一次面接 | 二次面接 |
---|---|---|
面接官 | 人事担当者 現場担当 若手社員 | 人事責任者 役員クラス 社長 |
注目 | 実務能力や現場とのマッチ度合いを見られやすい | 仕事への価値観やポテンシャルを見られやすい |
一次面接は、書類だけでは分からない人柄・スキル・現場との相性などを確認する場。実務能力やコミュニケーション面などが重視されやすいです。
面接官の多くは人事や現場社員で、「既存社員と一緒に働けそうか?」という印象も評価に影響します。
- 応募書類と照らし合わせて、話に現実味があるか
- 基本的なビジネスマナーがあるか
- 特性や配慮についての自己理解があるか
障害者雇用やオープン就労の場合、希望する配慮が自社で提供できるかも検討の一部です。
一次面接での第一印象が、今後の評価にもつながります。一次面接が決定したら、当日までに準備を行いましょう。
二次面接や最終面接について知りたい方は、以下の記事も合わせてお読みください。
障害者転職と一般転職の違い


障害者雇用の面接は一般転職と比べ、以下の点で異なる場合があります。
- 障害特性に対しての配慮がある
- 体調面についての確認がある
- 障害を開示する範囲について聞かれる
私たちの障害は「要配慮個人情報」といい、差別や偏見を生まないよう慎重に取り扱われるもの。面接や入社後に一定の配慮を得るため、丁寧な対応が行われます。
本人の人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪により害を被った事実その他本人に対する不当な差別、偏見その他の不利益が生じないようにその取扱いに特に配慮を要するものとして政令で定める記述等が含まれる個人情報
引用:個人情報保護委員会
逆にいえば障害に関すること以外、例えば「志望動機」「職務経験」などは、一般転職と同様に面接で評価されます。
「障害者雇用だから面接はただの顔合わせ」ということはありません。自己分析を徹底し、面接当日にパフォーマンスを出せるよう準備することが大切です。
まとめ|面接が怖い人ほど準備を徹底しよう
この記事では、発達障害がある人が一次面接を乗り越えるための対策ポイントを5つ紹介しました。
- 一次面接では人事担当や現場の上司が面接官になることが多い
- 現場の目線で「一緒に働けそうか?」を判断されやすい
- 見られるポイントを意識した準備で不安を減らせる
面接が怖いと感じるのは、準備や経験不足が原因であることが多いです。
だからこそ、丁寧な準備があれば、面接本番への安心につながります。
「何を見られるか」が分かっていれば、対策が可能。面接の予定が決まったら、この記事を参考に一つずつ準備を進めてみてください。
不安な方は模擬面接やエージェントのサポートも取り入れて、万全の状態で本番に臨みましょう。

