- キャリアの棚卸しってやる意味あるの?
- 経歴って言ったって大した実績もないし…
- 自己分析よりとにかく応募しなきゃ!
転職活動では、書類選考や面接対策といった「応募後の対策」に注目されがち。しかし、本当に大切なのは応募よりも「自己分析」です。
自分の経歴や能力を整理しておかないと、求人に対し自信をもってアピールできません。

「あなたの経歴は?」って聞かれるとオロオロしちゃうよね。




本記事では重要な自己分析のなかでも、過去を振り返って整理する「キャリアの棚卸し」について詳しく紹介します。
結論からお伝えすると、キャリアの棚卸しには「経歴を俯瞰して把握できる」「価値観から未来の方針を立てられる」などのメリットが豊富。
キャリアの棚卸しを実践すれば、職務経歴書をスラスラと書けるようになり、面接でも迷いなく自己PRできるようになります。
- とにかく手当たり次第に求人応募している
- 求人票のどこに注目したらいいか分からない
そんな方は本記事を、ぜひ最後までお読みください。
キャリアの棚卸しは経験と価値観を振り返る作業


キャリアの棚卸しとは、これまでの仕事を一つひとつ書き出し、経験や価値観を振り返る作業。「現在から未来」に目を向けるため、「過去から現在」を清算することが目的です。
- 担当した職種や業務
- 実績、達成したこと
- やりがいに感じたこと
- 失敗したことや負の気持ち
単に業務を整理するだけでなく、その時に感じた気持ちも書き出して「見える化」しましょう。
キャリアの棚卸しは、「自己分析」の精度を高める重要なポイント。以下を正しく判断するための「土台作り」です。
- 自分の強みや弱み
- 障害特性と対処法
- 今後の具体的な方針
「過去から現在」を整理できれば、満足度の高い転職だけでなく、転職以外の選択肢を見つけることにも役立ちます。



前を向くために「棚卸し」は必須!
発達障害者の自己分析に棚卸しが重要な理由


発達障害がある方にとって、キャリアの棚卸しは非常に重要な作業。
自分を客観視するのが苦手だったり、過去の失敗経験にとらわれて自信を失ったりと、納得できる方針を立てられないケースは多いです。
私自身、目の前のことしか見えずに、常に焦っていた時期がありました。過去に積み上げた経験が整理できず、これから何をすればいいかも分からない状態は、自信を失ってしまいます。
フラットな視点で「未来」に目を向けるためにも、キャリアの棚卸しでこれまでの経歴を冷静に整理しましょう。
漠然としたキャリアへの不安が軽くなる
これまでの経歴を振り返れば、漠然としたキャリアへの不安が軽くなります。
「この先どう働けばいいんだろう」という漠然とした不安は、自分を過小評価し「アピールできる経験なんてない」といった思い込みで大きくなります。
それでも過去の経験を丁寧に振り返ってみると、自分の中では当たり前や、失敗だと思っていた行動の中に、別の可能性が隠れていることは多いです。
たとえば「苦手な電話対応から逃げずに、なんとか向き合おうとした」という経験。もし完全に克服できていなくても、その苦手なことに向き合おうとしたプロセス自体が、真面目さや課題と向き合う意思を示す証拠です。
結果が成功だったか失敗だったかは横に置き、自分はこんな風に取り組んできたという事実と、そのときに感じた思いを一つひとつ書き出しましょう。
まずは事実と感情を冷静に整理することで、漠然とした不安を分析するための手がかりになります。
自分の強み・弱みが客観的に整理できる
キャリアの棚卸しによって経験を「見える化」すると、自分の強みや弱みを客観的に整理できます。
過去の経験が根拠になるため、単に自分の特徴を伝えるよりも「説得力」を持たせることが可能です。
- 成功体験を分析した客観的な「強み」を提示
- 繰り返す失敗を「弱み」として「環境・配慮」で対処
- 過去と比較してできるようになった「成長」の経歴
過去を整理すれば、強みや弱みにエピソードの裏付けが可能。強みを活かしたキャリアプランを考えたり、弱みによるストレスを上手に回避したりできるようになります。
キャリアの棚卸しで「土台作り」をすれば、自信をもって自分の「得意・苦手」を伝えられるようになるでしょう。
転職後のミスマッチを未然に防げる
キャリアの棚卸しは、入社後の「こんなはずじゃなかった」を未然に防ぐためにも有効です。
過去を振り返れば、仕事への価値観やこだわりが明確になります。結果として今後の仕事選びで、致命的なミスマッチを避けられるようになるでしょう。
たとえば私の場合、20代はずっと「営業職」の仕事を転々としていた過去があります。多くの顧客と接点を作ることが特に苦手で、関わる人数が増えるごとに負担が増えていきました。
当時は負担だと認識していませんでしたが、キャリアの棚卸しを実施することで浮き彫りに。
以後の仕事選びでコミュニケーションの人数を絞る方針を立て、現在の職場でも効果があると感じています。
キャリアの棚卸しで書き出したデータは、「転職の軸」を決めるための判断材料。結果として、転職後のミスマッチを回避しやすくなります。
キャリア棚卸しの具体的な手順5つ


キャリア棚卸しの具体的な手順を、ひとつずつ説明します。
過去の経験という「データ」から、自分の「特徴」を見つける重要な作業。少しずつ丁寧に振り返り、細かな気付きも書き出しておきましょう。



焦らず順番に、ひとつずつ進めるのが大事だよ!
過去の客観的な「事実」をすべて書き出す


まずはこれまでの仕事に関する客観的な「事実」を、思いつく限りすべて書き出しましょう。この段階では良し悪しを判断する必要はありません。
どんな細かな経験も後の分析で使う材料になるため、まずは情報を網羅的に「見える化」することが大切です。
具体的には、以下のような情報をリストアップしてください。
- 所属企業の部署・雇用形態・在籍期間
- 担当した業務内容や他者からの評価
- 実績や期間内に取得した資格・スキル
- 障害者雇用の場合は受けた配慮の内容
「事実」を書き出す段階では「好き・嫌い」や、「納得がいかなかった」といった感情面は考えません。
まずは「事実」の書き出しに徹底することで、フラットな視点で経歴をさかのぼれます。
次以降の手順を進めるうちに思い出した「事実」があれば、そのタイミングで追記しましょう。
書き出した事実に「感情」を追記する


書き出した客観的な「事実」に対して、そのときに感じた「感情」を書き足していきましょう。
「何をしたか」という事実に「なぜそうしたのか」「その時どう感じたのか」を紐づけることで、あなたの価値観やこだわりが見えてきます。
具体的には、以下のように感情を書き足してください。
感情を書き足す例)
- 業務内容全般:「業務量が少ない」「やりがいがあった」
- データ入力:「正確だと褒められた」「淡々とできて気楽」
- 簿記2級:「担当業務の専門知識をつけたい」「転職に使えそう」
- 配慮:「過剰だと感じて窮屈だった」「もう少しサポートが欲しかった」
- 在籍期間:「この会社は早く辞めたかった⇒その理由」
事実と感情がセットになると、仕事に対する価値観や気持ちの移り変わりが分かります。
感情の追記が一通り終わったら、細かく分析していく段階に進みましょう。
共通パターンを見つけ「得意・苦手」を言語化する


事実と感情を組み合わせたデータから「共通パターン」を見つけ、あなたの「得意・苦手」として言語化していきましょう。
似たような状況や感情が複数見つかれば、今後も同じ結果になる可能性があります。「なぜかいつもこうなる」というパターンが見つかれば、根拠のある「得意・苦手」という自己評価に変わります。
- 成功体験・失敗体験を書き出す
- なぜ成功・失敗したのかを想像してメモする
- 似た成功・失敗体験を見比べて共通点を探す



共通点が見つかれば再現できる!
たとえば「複数の業務が重なると、決まってパニックになる(事実+感情)」というパターンが見つかれば、「マルチタスクが苦手」という具体的な特徴として言語化できます。逆に「黙々と行うデータ入力は、いつも集中できて楽しい(事実+感情)」のであれば、「集中力の高さ」や「定型業務への適性」が強みと考えられます。
いくつかの「得意・苦手」が見つかったら、他者にアピールできる「スキル・能力」として言葉にしていきましょう。
得意なことや苦手なことは「自己PR」や「配慮事項」を考えるために必要で、面接でも良く聞かれます。成功・失敗体験から見つけた「得意・苦手」には根拠があるため、説得力を持たせやすいです。
- 成功の共通点=あなたの得意なこと
- 失敗の共通点=あなたの苦手なこと
自己分析で整理しておけば応募書類を書くときに迷わず、自身を持ってアピールできるようになります。
仕事で得られたスキル・能力を見つける


言語化した特徴の中から、他者にアピールできる具体的な「スキル・能力」を見つけ出します。
- 成功・失敗体験から学んだこと
- 業務をしていく中で成長したこと
- 社会人生活の中で身に付いたこと
「〇〇が得意です」と伝えるだけだと、相手には仕事でどう役立つのか伝わりにくいです。具体的なスキルに変換することで、客観的に分かりやすくなります。
以下の2つの視点から、身についた能力を探してみましょう。
- ポータブルスキル
- テクニカルスキル
「ポータブルスキル」とは、職種の専門性以外に、業種や職種が変わっても持ち運びができる職務遂行上のスキルのことです。
引用元:厚生労働省



業界や職種を変えても役に立つスキルかどうか?で分類してみると分かりやすいよ!
たとえば「集中力が高い」という特徴は、業種を問わず活かせるポータブルスキルです。これを「データ分析の正確性」のように、具体的な業務に結びつけて表現すれば、アピール力が高まります。
「得意なこと」を「スキル・能力」という言葉に変換していくことで、より自分の強みを明確にできます。
分析結果からキャリアの方針を決める


「得意・苦手」や「得たスキル」などの分析結果から、今後のキャリアの方針を決めましょう。
- 得意を伸ばすために専門資格を勉強する
- 苦手な状況を避ける工夫を試してみる
- 身に付けたスキルを使って転職する
今後の自分が、どんなことに力を入れると効率がいいかを考えながら、この先数年間の戦略を考えてみてください。
「たとえば「人より得意なこと」を見つけたら、更に伸ばすために必要な資格を取ってみる。苦手なことへのストレスが強ければ、配慮を調整したり転職で回避したりする。特定の経験を積むために、積極的に仕事を受けるなども有効です。
大切なのは地に足をつけた、達成できそうな方針を決めること。
目標が高く背伸びしすぎても、挫折する可能性が高いです。目標が低すぎたら、「いつでもできるから」とかえってやる気が起きなくなる可能性もあります。
方針を決めたら必ず「行動」に繋げ、少しずつでもいいので達成していきましょう。


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キャリア棚卸しを効率よく進めるポイント
キャリアの棚卸しを黙々と進めていると、思考が空回りしたり、途中で疲れてしまったりすることもあります。
効率よく進めるために、以下のポイントを試してみましょう。



忙しい人ほど効率重視!
ツールやサポートを使う
紙 | マインドマップ | 表計算ソフト |
---|---|---|
![]() ![]() | ![]() ![]() | ![]() ![]() |
矢印や線を引けるから視覚的に整理しやすい PC操作に慣れてない人でも簡単 | 書いた文字を簡単に動かせて整理しやすい ツリー状で視覚的に分かりやすい | 枠があるから書き忘れしにくい 長文が書きやすく、修正も簡単 |
枠がないため何から書けばいいか困る 書いた文字を消しにくい | ソフトを使った事がない人には難易度が高い 長文を書きにくい | 一度書いた文章を並べ替えるのが大変 ソフトを持っていないと使えない |
キャリアの棚卸しを紙とペンの手書きで進めると、かなり大変な作業になります。デジタルツールのサポートを駆使して、効率的に進めましょう。
具体的には、以下がオススメです。
- 生成AI(ChatGPT・Geminiなど)
- マインドマップ(Xmindなど)
- 表計算ソフト(Excel・スプレッドシート)
生成AIに過去の掘り起こしを手伝ってもらったり、分類分けのサポートに使うと効果的。経歴の整理や仕分けは、マインドマップや表計算ソフトがオススメです。
書きながら思考を広げやすいのは「マインドマップ」、事実を整理しやすいのは「表計算ソフト」。デジタルツールに慣れている人は、役割分担して使い分けるのも有効です。
一人では分析が進まない場合は、「転職エージェント」や「キャリアコーチング」などのプロに手伝ってもらうのも効果的。
第三者視点から自分では気付けなかった強みや、客観的に見て分かる弱みを整理できます。
まずは自分でツールを使って整理し、その上で専門家に見てもらうと、より密度の濃い相談ができます。
事実と感情を分けて考える
分析に行き詰まった時は、書き出した内容を「事実」と「感情」に分けて考えてみるのがポイントです。
この2つを混同してしまうと、客観的な評価ができなくなったり、ネガティブな感情に引きずられてしまったりします。
たとえば、「〇〇という業務を担当した」というのは、誰が見ても変わらない「事実」です。事実はあなたの職務経歴として、アピール材料になる可能性があります。一方で「その業務はつまらなかった」というのは、あなたの「感情」です。感情は、あなたが仕事に何を求めるのか、という価値観を知るヒントになります。
事実と感情を切り離してそれぞれの意味を考えることで、より深く、多角的な自己分析が可能になります。
時間を区切って少しずつ進める
キャリアの棚卸し作業は、すべて丁寧にこなすと時間がかかります。一度にすべてを終わらせようとせず、時間を区切って少しずつ進めることも重要。
たとえば「週末の夜に1時間だけ集中する」「通勤時間にスマホでメモする」など、自分なりのルールを決めて、コツコツと取り組むのがオススメです。
特に後半の「分析」では、連想したり共通点を探したりと、頭を使う場面が多いです。適度に休憩をはさみつつ、考えが行き詰らないような対策を取りましょう。
一度書いたものを時間を置いて見返すことで、新たな気づきが生まれることもあります。最初から完成を目指さずコツコツと進めることが、質の高い自己分析に繋がります。
キャリア棚卸しの「つまづきポイント」と対処法


キャリアの棚卸しは、自己分析の根っこになる大切な作業。ですが、進め方によってはつまずいてしまうこともあります。
事前に注意点を把握しておき、万が一のときも冷静に対処しましょう。キャリアの棚卸で特に多い、代表的な3つの注意点と対策を紹介します。



過去を掘り返す作業だからこその大変さがあるよ。
ネガティブに染まる
キャリアの棚卸しで特に注意したいのが、過去の失敗体験を思い出してネガティブな感情に染まってしまうこと。
自己肯定感が低い状態だと、どうしても「できなかったこと」ばかりに目が行き、「やっぱり自分はダメだ」という結論になってしまいがちです。
私自身20代の頃は、安定するまで1年と持たずに転職を繰り返していました。自己分析や転職活動のときに嫌でも目に入るため、その都度ネガティブな気持ちになった記憶があります。
ネガティブに染まり切らないためには、意識的にポジティブな側面から振り返るのが有効です。
ポジティブな振り返りは、大きな成功体験でなくてもOK。前向きになれる経験を、先に書き出してみましょう。
- 少しでも楽しかったこと
- 人から感謝されたこと
- 自分なりにやりきったこと
あまりにも気持ちが落ち込む場合は、作業を一時中断して気持ちをリフレッシュさせましょう。
キャリアの棚卸しは、あくまで現状把握。自分を責め、傷つけるための作業ではないと意識することが大切です。
途中で諦めてしまう
キャリアの棚卸しは、きっちり取り組むとかなり作業量が多いです。いざ始めてみるとなかなか終わらず、途中で挫折してしまうケースも少なくありません。
特に真面目な方ほど、最初から完璧なものを作ろうと意気込み、途中で力尽きてしまいます。
大切なのは、完璧を目指さないこと。時間を区切ったり、タスクを細分化したりするのも非常に効果的です。
- 会社名だけ書き出してみる
- 直近の職場だけ埋めてみる
- 30分間だけと時間を区切って作業する
一度にすべてを終わらせようとせず、少しずつ着実に進めることが失敗しないコツです。記憶に新しい直近の仕事から着手すると書きやすくなります。
ツールやサポートなどを使って、中断しても再開しやすい環境を整えるのもオススメです。
次の行動につなげない
意外と多いのが、キャリアの棚卸しを終えただけで満足してしまうケース。具体的な「次の行動」に繋げられず、せっかくの自己分析が無駄になってしまいます。
作業自体に達成感があるので、「やりきった」と感じやすいです。しかしキャリアの棚卸しは、あくまで現在地を把握するために過ぎません。
今後のキャリアの方針に合わせて行動を決め、一つひとつ取り組みましょう。
棚卸しで得た気付きは行動に繋げる


キャリアの棚卸しで方針が決まったら、具体的な「行動」に移すところまでがセット。分析しただけで終わらせず、改善やステップアップに進めていきましょう。
代表的な選択肢を3つ紹介します。下記以外も含め、自分にあった「次の一歩」を見つけてみてください。



分析しただけで終わらせないことが大事!
スキルアップに取り組む
自分に足りないスキルや、更に伸ばしたい能力が見つかった場合は、具体的なスキルアップに取り組みましょう。
現職での評価を上げたり、将来の可能性を広げたりと、未来を見越した「自己投資」になります。
手当たり次第に飛びつかず、目的をもってスキルアップにチャレンジしてください。
- 強みに関連する資格を取得する
- 弱みや特性の対処法を書籍で学ぶ
- 効率化のためのツールを触ってみる
スキルアップは試験に合格して手に入れられる資格だけでなく、「自分ならできる」という自己効力感も高めます。
自己効力感とは、目標を達成するための能力を自らが持っていると認識することを指します。
引用:GLOBIS
簡単にいえば、「自分ならできる」「きっとうまくいく」と思える認知状態のことです。
「やればできる」という感覚は、気持ちがネガティブに傾きやすい人ほど重要。小さくても成功体験を積むことで、気持ちが折れにくくなります。
スキルアップの意欲は思い立った直後が一番高く、どんどん熱が冷めていきます。学びたいと思ったときに、具体的な行動へ結び付けましょう。
詳しくは、「発達障害者の仕事に役立つオススメ資格まとめ」の記事をお読みください。
転職活動を具体的に進める
現状を冷静に分析して「転職した方がいい」と判断した場合は、迷わず行動に移しましょう。
具体的には、以下の作業が必要になります。
- 絶対に譲れない転職の軸を決める
- 転職エージェントに登録して情報収集
- 応募書類のベースを完成させる
①「転職の軸」で方針を固めながら、②「転職エージェント」などから求人や転職市場の情報を集めましょう。③並行して履歴書や職務経歴書などの「応募書類のベース」を作り、効率的に応募を進められる土台を整えてください。
「発達障害がある人の転職活動の進め方」の記事を参考にしつつ、着実に転職活動を進めましょう。
現状維持で「待ち」に徹する
キャリアの棚卸しをした結果、「今は動かない」という結論になることも十分あり得ます。
- 今の環境は自分に合っている
- 職場よりも優先することが見つかった
- あと半年待ったら再検討する
客観的に自分の状況を見つめ直し、むやみに動く必要がなければ「保留」も選択肢の一つ。現職で経験を積み、勤続年数を増やすことで得られる信頼もあります。
たとえば就労定着支援の期間(最大3年間)は焦らず定着に取り組む、来年の昇給・昇格がなかったら再検討する、といった自分なりの目途を立てておくと良いでしょう。常に不安を抱えるよりも、期間を決めて「待ち」に徹する方が精神的に余裕を持てます。
「待ち」の判断をした場合でも、定期的な自己分析や、応募書類の更新は継続しましょう。半年や一年に一度、区切りの良いときに現状分析をするのは大切です。
場合によっては、職場環境が急に変わることもあります。状況の変化に合わせて、いつでも行動に移せるよう準備しておきましょう。
まとめ|キャリアの棚卸しで「振り返り」をしよう
本記事では発達障害のある方に向けて、自己分析の基盤となる「キャリアの棚卸し」について紹介しました。
- 事実と感情を整理し客観的に自分を理解する
- 強みや弱みにエピソードの裏付けが可能
- 分析で得た気づきから具体的な行動へ繋げることが重要
キャリアの棚卸しで「過去から現在」を整理すれば、具体的な「未来」の方針が立てられます。漠然としたキャリアや働き方の不安を、現実的な行動に落とし込みましょう。
本記事の内容を参考に、まずはご自身の過去の経歴を書き出してみるところから始めてください。
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