障害者向け転職エージェントとして有名な「dodaチャレンジ」。知名度があり大手企業との取引も豊富なため、障害がある方のキャリアアップではぜひ利用してほしい転職サービスです。
しかし、状況によってはサービスを利用できない場合もあります。
- 「紹介できる求人がないと言われた」
- 「登録を断られてしまった」
そんな方は本記事を、ぜひ最後までお読みください。
dodaチャレンジは登録を断られる可能性あり
dodaチャレンジは障害者専門の転職エージェント。転職を有利に進めるためのキャリアカウンセリングが行われ、サポートを受けながら転職活動を進められます。
非常にオススメできる転職サービスですが、残念ながら誰もが利用できるわけではないです。
状況によっては、求人を紹介してもらえなかったり、登録を断られるケースも珍しくありません。
キャリアカウンセリングでは最適な求人を紹介するために、利用者の状況や転職意欲、目的などをヒアリングします。今後の転職活動をスムーズに進めるために、条件や価値観をすり合わせる重要な場です。
障害者採用の専門的な知識や情報を持った専任のキャリアアドバイザーが、ご希望の業界や職種、これまでのご経歴、今後についてのお考えなどをお聞きしながら面談いたします。
引用:dodaチャレンジ
dodaチャレンジが使えない、登録できなくて困ったという方は、まずご自身の状況を確認しましょう。
求人を紹介してもらえないパターン3つ
dodaチャレンジから求人を紹介してもらえない、主なパターンを3つご紹介します。
- スキル・経験と希望条件のミスマッチ
- プロフィールや職務経歴書の情報不足
- 希望地域や希望職種の求人がない
まずは状況を振り返ることが大切!
スキル・経験と希望条件のミスマッチ
dodaチャレンジから求人を紹介してもらえない多くのパターンは、ご自身のスキルや経験と希望条件のミスマッチ。
条件を高く設定しすぎると、適切な求人を見つけられずお見送りの可能性が高くなります。
- 未経験の職種で高待遇の求人希望
- 希望する条件に優先順位が付いていない
- そもそも求人が少ない職種だけに絞る
条件を高く設定すると、それだけ条件に合う求人は少なくなるもの。あまりにも求人が少ないと、アドバイザーの紹介できる求人がなくなってしまいます。
ご自身が転職において「何を達成させたいか」を明確にし、一本のブレない軸を作ってから転職活動に挑むことをオススメします。
マイページや職務経歴書の情報不足
dodaチャレンジは登録後、初回面談までにマイページの情報を入力しておく必要があります。
職務経歴書をアップロードするスペースもあるため、簡易的なものでも事前に作成しておきましょう。
dodaチャレンジに登録したら、かならずマイページの更新と職務経歴書のアップロードを行いましょう。
職務経歴書の書き方については、以下の記事をお読みください。
希望地域や希望職種の求人がない
たとえ障害者向け転職エージェントといえど、すべての地域で幅広い求人情報を保有している訳ではありません。
募集職種は一般転職と比べて範囲が狭く、特に地方では都市部と比べて求人数が少ないことが多いです。
- 過疎地域で好条件の求人を多数希望
- ニッチな業界や職種の求人だけを狙う
- 時期的に求人数が少ないケースもあり
まずはご自身のスキルと希望のバランスが取れているかを確認し、希望勤務地の求人をチェックしてみましょう。
もし最適な求人がなかった場合、以下を検討してみてください。
- 希望条件のうち妥協できるポイントはあるか?
- 求人豊富な大都市圏への引っ越しが可能か?
- 良さそうな求人が出るまで転職を待てるか?
転職市場や募集中の求人は「水物」。どんどん入れ替わっていくため、現時点で良い求人がなくても待てば掲載される可能性もあるでしょう。
精神障害や発達障害を理由に断ることはない
dodaチャレンジは、精神障害や発達障害といった個別の症状で、登録を断ることはありません。
私自身も発達障害のASDがあり2回dodaチャレンジに登録しましたが、2回目は問題なくサポートを受けられました。
一方で「身体障害者が有利だ」「精神・発達は登録するだけ無駄」という声もあります。
不安になる気持ちも分かりますが、実際は大丈夫。ちゃんと丁寧に対応してもらえ、求人情報も紹介していただけました。
「断られたらどうしよう…」と不安がるよりも、「情報収集できればラッキー」と気軽に登録してみても問題ありません。
もし登録して断られた場合、落ち込むのではなく次のアクションに移れるよう準備しておきましょう。
障害者手帳の未所持・取得予定なしは対応できない
気を付けたいのは、dodaチャレンジは「障害者専門」の転職エージェントということ。
サービス利用の条件に、障害者手帳の所持・または申請中のみと記載がありました。障害者手帳がない「自己診断」の方や、発達障害グレーゾーンの方などはdodaチャレンジを利用できません。
dodaチャレンジは、障害者手帳をお持ちの方、または申請中の方限定の転職・就職支援サービスとなっております。
引用:dodaチャレンジ
障害者手帳がない方は、一般向けの転職エージェントを利用しましょう。
場合によってはアドバイザーに状況を開示し、特性を含めた転職活動の道筋を考えていくことも有効です。
ASDの筆者が利用できたパターンと利用できなかった状況
実際に筆者がdodaチャレンジに登録し、利用できた・できなかったパターンを紹介します。
短期離職を繰り返していた時期は利用できず
1回目のdodaチャレンジ登録は、発達障害と診断を受けた直後。しかし登録したものの面談すらなく、お断りのメール一本で対応終了でした。
当時は発達障害と知らずに苦手な業務で働き、メンタルの調子を崩したり、1年も持たずに退職してしまったりを繰り返していました。
- 自分の障害特性を把握していない状態
- 20代で職を転々とし、5社以上で離転職を繰り返す
- 仕事のスキルも身に付いておらず、PR力も弱い
dodaチャレンジだけでなく、他の障害者向け転職エージェントでも同様に利用不可。
確かに今考えてみると、求人企業に対してアピールできるポイントが見当たりません。
結果的に、障害者就労支援の力を借りながら、ハローワークを使って事務職のパートで働くことになりました。
1つの会社で3年間の勤務経験を積んだら利用できた
2回目のdodaチャレンジ登録は、障害者雇用のパート事務職で3年程度の経験を積んでから。初回面談も受けられ、いくつか求人のご提案も頂きました。
職歴や大まかな経験スキルについては、以下の通りです。
- 30代に入ってから自身で初めて、休職は挟むものの3年間の職場定着。
- 雑用から始まり少しずつ仕事を任され、勤怠管理業務のまじめさを評価される。
- 転職で完全在宅を意識していたため、副業WEBライターで文章表現の勉強
前回断られたことを伝え、どんな点に着目したかアドバイザーに聞いたところ、以下のようにお答えいただきました。
- 現職でも安定して働けていること
- 自主的に仕事を取って広げていること
- 転職の目的やゴールが決まっているのが良い
最終的にはdodaチャレンジではなく、他の転職エージェント経由で内定が出たため、転職活動を終了しました。
dodaチャレンジが使えなかった場合の手段3つ
dodaチャレンジに登録できなかった場合でも、諦めず次の対策を考えていきましょう。
転職への意欲や目標、状況次第で次の手段は変わります。
- 転職を急いでいる人は他の転職エージェントを検討
- キャリアアップを目指す人は実績を積んで再登録
- 職歴や安定就労に不安がある人は就労移行支援を利用
転職を急いでいる人は他の転職エージェントを利用
「現職を早く辞めたい」「すぐにでも転職したい」という方は、dodaチャレンジに断られて落ち込むのではなく、すぐに他の転職エージェントを利用しましょう。
など、複数の転職エージェントに登録しておけば、断られたときの予防策になります。
また、それぞれ保有求人が異なるため、より多くの求人情報にアクセスできる可能性も高いです。
また登録と並行して、以下の見直しも行ってください。
- 転職に際して最も優先したい条件は何か整理
- 職務経歴書の見直し、文章のブラッシュアップ
- 過去の職務経歴から「長所」を見つける
これらは転職エージェントが企業へ提案する際に、後押しする武器になる要素。
明確にしておくと転職エージェント側が企業にアピールしやすくなるため、空いた時間を使って考えてみましょう。
キャリアアップを目指す人は実績を積んで再登録
キャリアアップを目指す人や転職を急いでいない人は、いったん期間を置いて再登録するのもいいでしょう。
半年間ほど現在の職場で追加の実績を積み、職務経歴書を更新させてから改めて登録してみてください。
- 担当業務の効率化
- 資格やスキルの習得
- 新しい業務への挑戦
上記を行っても、現職の待遇が改善することは稀です。しかし「半年後に転職活動」と決めて実績を作れば、あなたへの転職エージェントや求人企業の見る目が変わります。
結果的に転職活動の成功率も上がるため、「実績作りのための期間」は有効です。
職歴や安定就労に不安がある人は就労移行支援を利用
職歴が短い方や空白期間がある方など、安定就労に不安がある方は「就労移行支援」を利用するのも一つの手です。
就労移行支援は障害がある方が、仕事の知識やスキルを身に付ける施設です。
就労移行支援とは、障害者総合支援法が定める障害福祉サービスの一つ。一般企業への就職を希望する障害者の方々が、必要な知識や能力を習得するために行われる支援です。
引用:ミラトレ
闇雲に転職活動を繰り返すのではなく、サポートを受けて働き方を身に付けてから再挑戦するのも有効。
dodaチャレンジの系列にミラトレという就労移行支援があり、訓練後期にはdodaチャレンジのサポートが受けられます。
もし今のまま転職活動を続けても難しそうなら、試しに就労移行支援を見に行ってみることをオススメします。
dodaチャレンジに断られても挫折せず次の手を打つ
本記事では障害者向け転職エージェント「dodaチャレンジ」の利用について、求人を紹介されないときの対処法を紹介しました。
dodaチャレンジはあくまで、数ある転職エージェントサービスのひとつ。断られたとしても落ち込まず、次のアクションに移りましょう。
- 他の転職エージェントを使う
- 実績を積んで再登録してみる
- 就労移行支援のサポートを受ける
並行して自己分析や転職の目標を見直し、軌道修正することも大切です。
dodaチャレンジ以外の障害者向け転職エージェントについては、以下の記事で紹介しています。ぜひ参考にしてください。