- 出勤してもただ座ってるだけで時間が過ぎていく
- 仕事で会社に貢献している実感が持てない
- 自分の成長も望めず、将来が不安になってくる
障害者雇用として就職したものの、渡された業務はごくわずか。時間を持て余していると、たとえ給料がもらえたとしても不安で仕方ないという人もいるでしょう。
筆者自身、前職では業務の少なさから、毎日何度も「何かやることはありませんか?」と聞いて回っていました。
困った顔をされるのも、グサッとくるんだよね…
本記事では障害者雇用で働いており、業務の少なさに困っている方に向けて、社内ニート化しやすい原因と対策を紹介します。
筆者の実体験エピソードも紹介しているため、現状を打破したい方はぜひ参考にしてください。
- 「やることがなくて出勤するのもツライ」
- 「ただ時間が過ぎるのを待つのが苦痛」
そんな方は本記事を、ぜひ最後までお読みください。
【放置されがち】障害者雇用の仕事量と暇すぎる問題
障害者雇用において仕事量の少なさや、「暇すぎる」といった問題があります。
企業側が法定雇用率の達成だけを考え、採用後に業務の切り分けが不十分なケースは多いです。体調不良や欠勤があっても大丈夫なように、過剰なくらい余力を持たせた業務配分の場合もあるでしょう。
- 毎日1時間程度のタスクが終われば残り時間は暇
- 同僚は忙しそうにしているが自分には割り振りなし
- 待機している時間が圧倒的に多く、モチベも低下
出勤してもただ座っているだけだと、モチベーションの低下だけでなくメンタルにも悪影響を及ぼします。
まじめな人ほど「何もしていないのに給料をもらうなんて…」と、申し訳なく感じてしまうでしょう。
万が一仕事を辞めさせられたら…と、不安に襲われる可能性も高いです。
私も社内ニート化しかけたときは不安だったよ。
社内ニートになりかけた筆者の実体験エピソード
筆者自身、障害者雇用のパート事務職で働いていたときに、ただ座っているだけの社内ニートになりかけた時期がありました。
最終的には転職しましたが、毎日の出勤が苦痛だった記憶があります。
身も心もボロボロになったわ…
毎日何度も「仕事はないか?」と聞いて回る
入社から半年ほどは、ほとんど仕事を任せてもらえず。10分で終わる郵便の仕分けや、毎日する必要のない文房具の手入れといった単純作業が中心でした。
手が空いたら、同じ部署で働く上司や同僚に「何かやることはありませんか?」と聞いて回る日々。返ってくるのは「今はないかな」「他の人はどうだろう?」といった回答ばかり。会社選びに失敗したのでは…と、不安になることも多かったです。
毎日のように声掛けを続けた結果、少しずつですが単発の業務を任せてもらえるように。しかし、業務時間の大半を埋めることはできず、暇を持て余す日ばかりでした。
また毎日のように仕事がないか聞いて回ることで、余計なプレッシャーをかけ関係性が悪くなった同僚もいました。
座ってるだけが苦痛でサボりがちになる
自席に座っているだけが苦痛となり、次第に業務をサボりがちに。トイレなどで席を立つ頻度が増えたり、休憩室や更衣室などで時間をつぶしたりすることも増えていました。
「仕事の時間は仕事以外してはいけない」という固定概念が強かったため、強い焦りや罪悪感を抱えていた記憶があります。
また「給料が発生しているのに仕事がない」という点から、退職を打診されないか強い不安がありました。
当然のようにスキルや経験を積むこともできず、仕事の質を高めたり改善を試みたりといった意欲も回復せず。
負のスパイラルに巻き込まれ、自力で持ち直すことも困難に。自己肯定感や仕事への気力も低下してしまい、メンタルや勤怠の不安定にもつながりました。
メンタルが不調になり勤怠も不安定に
仕事量の少なさに苦しみ、メンタルも崩れ始めました。毎日のように「出勤するの嫌だなぁ」と考え、次のような変化が起きました。
- 会社に必要とされてないのではと思い始める
- 気が散りやすく、些細なことでミスが目立つ
- 遅刻や欠勤が増え、勤務中も心ここにあらず
障害者雇用は「仕事がなくて楽そう」と見られやすい一方で、仕事がないことによって調子を崩す人もいます。
私の場合は徐々に安定感がなくなり、休職によるリセットを打診されたことで見直し調整。
業務量が少なすぎる問題は解決できないものの、空き時間を資格やスキルアップに使う方針になり体調を持ち直しました。
資格勉強やスキルアップの時間にする許可をもらう
「スキルを積めば渡せる仕事が増える」という理由から、支援者も交えた面談ののち、業務中の空き時間を使った資格勉強・スキルアップの許可をもらいました。
具体的には、以下の取り組みを実施しています。
- 簿記の資格取得
- ExcelなどのITスキルの上達
- マニュアル作りのための文章力
ただ座っているだけの時間が学習に変わったことで、勤怠や体調も多少の改善が見られました。
しかし勉強を重ねたところで、十分なほど仕事が増えることはなく。知識は増えても実績を積む機会にはあまり恵まれませんでした。
能力をつけても改善せず副業と転職で解決
資格やスキルを積んでも仕事量は増えず、入社当時にはあった正社員登用の話もなくなりました。
「この会社で頑張る」という意味が見出せなくなり、最終的に副業と転職という道を選択しました。
- 仕事以外の時間でWEBライターの副業
- 転職エージェントを使った転職活動
- 「この会社で頑張る」考えを捨てる
WEBライターの副業で多少の収入増、かつ転職後の会社では十分な仕事量もあり。今では「暇すぎる」ことから体調を崩すこともなくなりました。
個人の能力によって、渡せる仕事と渡せない仕事は確かにあります。
しかし、会社自体の障害者雇用への理解や、部署の業務切り出しなど「暇」の原因はさまざま。状況に応じて、それぞれ対策を考えてみることをオススメします。
ただ「いるだけ」の社内ニートから抜け出す対策
障害者雇用で仕事を渡されない、社内ニートから抜け出す対策を3つ提案します。
ただ座っているだけが苦痛な方の場合、早めに対策を打ちましょう。
- 面談などの正式な場で上司に相談する
- 「手が空いたとき用の業務」を決める
- 資格の勉強やスキルアップの時間に使う
ひとつずつ試してみよう!
面談などの正式な場で上司に相談する
手が空いたときの声掛けだけでなく、面談などの正式な場で上司に相談してみることをオススメします。
面談であれば履歴を残したり、次のアクションを検討したりするもの。忙しい上司であっても、業務の片手間ではなく真剣に「暇すぎること」と向き合ってもらえるでしょう。
- 一日のうち何時間ほど手が空いているか
- 同僚への声掛けと反応はどんなものか
- 業務の追加に意欲がある意思表示
ただ依頼を待つだけよりも、仕事を振ってもらえる可能性は高くなります。上司からの業務はない場合でも、他部署への根回しを行ってもらえる場合もあるでしょう。
手が空いていることを伝えておけば、周囲から仕事を依頼しやすくなります。
「手が空いたとき用の業務」を決める
入社時点や定期的な面談などで、「手が空いたとき用の業務」を決めておくことも安心感につながります。
上司や同僚へ何度も声掛けせずに済み、お互いの負担が軽くなるでしょう。具体的には、以下のような業務が有効です。
- ボリュームが大きく時間のかかるタスク
- 上司や同僚の優先順位は低いが必要な業務
- 納期までが長くコツコツと処理する作業
上司や同僚にとっては面倒な業務でも、あなたにとって最適なタスクとなる可能性があります。
このような業務はパッと言われても思いつかないケースが多いので、節目のタイミングで相談してみることをオススメします。
資格の勉強やスキルアップの時間に使う
「より幅広い業務を受けるため」という名目で、空き時間を勉強やスキルアップに充てるのもオススメです。
会社や上司、同僚などの考えもあるため、事前に相談をしたうえで行いましょう。
- 業務関連の資格勉強
- AIやツールなどのITスキル
- 業務に役立つソフトスキル
ソフトスキルとは、職場や日常生活において、人間関係やコミュニケーション、問題解決などに関連する非技術的な能力のことを指します。これらは技術的なスキル(ハードスキル)とは異なり、一般的に人間関係や自己管理に関わるスキルです。
生成AIによる文章
会社から許可さえ取れれば、「ただ座っているだけ」よりもよっぽど生産的。不安や体調不良などのデメリットも軽減されるため、積極的に打診してみましょう。
ただしスキルアップは、業務がなくて暇という問題の根本解決にはなりません。学んだ先に新しい業務を見据える、転職を視野に入れるなど、戦略的に時間を使ってください。
障害者雇用の転職は最終手段
上司への継続的な相談や、対策を試みても改善が見られない場合は、最終手段として転職も視野に入れましょう。
「社内ニート」の状態が続くと成長の機会が限られ、職場での存在意義を見失ってしまいます。暇が暇を生む悪循環に陥る可能性もあるため、早めに対策を打ちましょう。
- 会社・仕事によって業務量や割り振りが異なる
- 転職活動によって他社の事例や社員の扱いを知れる
- より評価されやすいポジションが見つかる場合もある
転職は人生にとって大きな決断ですが、暇すぎることで消費される時間も大きな損失。仕事のモチベーション低下が、その後の人生全体に悪影響を及ぼす可能性もあるでしょう。
勤務との兼ね合いで時間が作りにくい方は、転職エージェントも使いながら転職活動を進めましょう。
私はあのとき転職を決断してよかったと思ってる!
障害者雇用が職場で社内ニート化しやすい原因
障害者雇用は仕事が少なく、社内ニート化しやすいです。主な原因としては、以下が考えられます。
- スキルや力量を正しく把握していない
- 業務の切り分けを考えずに採用している
- 仕事を渡さないことが配慮と思われている
スキルや力量を正しく把握していない
障害者雇用を「手帳1枚分」と換算して雇用している企業では、私たち個々の特性や、得意なこと不得意なことを正しく把握していない場合があるでしょう。
「障害者雇用枠の仕事」ときれいに切り分けられた業務を任され、性質や強み・弱みなどを全く考慮されないケースもあります。
どんな障害・状態の方でも対応できるよう、切り分けた仕事は誰でもできる単純作業が中心。人によっては簡単すぎて、すぐに暇を持て余してしまうでしょう。
例えば、発達障害がある方がプログラミングの専門知識を持っていても、能力を活かせない一般事務の仕事をするなどはよくある光景です。
- 入社時に担当業務を必ず確認する
- 定期的に面談機会を作り調整する
- 必要に応じて障害支援者の助けも借りる
保有スキルと適切な配置は、目の前の業務への安定だけでなく、将来のキャリアアップにも影響します。
身に付けたスキルとかけ離れた業務をしていると感じたら、適切に業務内容のすり合わせを行ってください。
業務の切り分けを考えずに採用している
法定雇用率達成のために本社が数合わせで採用したり、障害者を一括採用して地方事業所に配属したりするケースがあります。
本社主導で採用は進めていくものの、いざ入社となったら何も把握していない支社勤務への配属。私たちもストレスがかかりますし、支社の担当者も業務割り振りができていない可能性があります。
場合によっては、求人票に記載された担当業務と、まったく関係ない仕事を任される場合もあります。
まずは想定外でもやってみて、不具合が大きい場合は上司にかけあって担当変更してもらうのも手です。
仕事を渡さないことが配慮と思われている
一部の企業では、障害者雇用の方に対し「とにかく無理をさせない」「仕事を渡してストレスを与えない」と、業務を渡さないケースがあります。
確かに業務を抱えていなければ、余計な人間関係やトラブルに巻き込まれるリスクは起きません。
しかしこれは、逆効果の人もいます。適切な業務量や難易度の仕事は、社会の一員として役割を全うするために必要な人は多いでしょう。
そのためにもご自身の障害特性は自分で把握し、上司にも「できること・苦手なこと」を伝えられるよう準備しましょう。
またA4用紙1枚程度のボリュームで、「わたしの障害について」の書類を作っておくのもオススメ。注意点などを共有しながら面談を進めることで、より自分の意向が反映されやすくなります。
「座ってるだけでもいい」と割り切るのも一つの手
ここまで「座ってるだけ」から抜け出す方法を解説してきましたが、状況によっては「座ってるだけ」が悪い訳ではありません。
- 体調が不安定でまずは勤怠から安定させたい
- 仕事を頑張るよりも優先したいことがある
- キャリアアップまではエネルギーが足りない
暇で座っているだけが苦痛な場合は、対策を打つことをオススメします。
一方で現状に不満がなかったり、今の状況で安定していたりする場合は、仕事を無理して抱えず割り切るのも一つの手です。
仕事に対する価値観や、ご自身の考え方と照らし合わせて考えるようにしましょう。
あくまで「困っている」が前提だよ!
まとめ|仕事が暇すぎて不安な方は対策しよう
本記事では仕事量が少なすぎて困っている、障害者雇用の方に向けて解決策を3つ紹介しました。
- 面談などの正式な場で上司に相談する
- 「手が空いたとき用の業務」を決める
- 資格の勉強やスキルアップの時間に使う
業務量が少ないときに「何か業務はありますか?」と聞いて回るのもいいですが、長期的に繰り返すと悪循環に陥る可能性もあります。
仕事が暇で座っているだけが苦しいと感じる方は、上司や支援者を巻き込みながら根本的な改善に取り組みましょう。
会社側に改善を訴えても効果がない場合、最終手段として転職も有効です。状況に応じて、使い分けてください。