- 障害者雇用ってメリットないんじゃない?
- もしかしたら一般雇用で働いた方がいいのかも…
- 自分にとって障害者雇用は必要なんだろうか。
障害者手帳を企業に開示し、障害への配慮を受けながら働く「障害者雇用」。配慮を受けられる一方で、給料や働き方に制限を感じネガティブな印象を持つ方は少なくありません。
私も発達障害と診断された直後は納得できずクローズ就労で働いてたよ!
本記事ではそんな障害者雇用のネガティブな印象と、対策について詳しく紹介しています。
結論からお伝えすると、デメリットしかないと感じた場合は現状に不満を持っている可能性があります。
ネガティブな気持ちを深く整理することで、自分にとって大切にしたい事が見つかるかもしれません。
支援者や第三者の意見も参考にしつつ、本当に自分にとって何がデメリットに感じるのか分析することをオススメします。
- もう障害を隠して一般雇用へ行くしかない!
- 障害者雇用には未来がないから無理だ…
こんな思考になってしまっている方は、ぜひ本記事を最後までお読みください。
障害者雇用がデメリットだと感じる人がやるべきこと
障害者雇用で働くなかで「デメリットしかない」と感じる方は、ネガティブな気持ちを深く分析することをオススメします。
デメリットだと感じるポイントは、ご自身にとって「大切にしたいこと」の可能性があります。
- 自立して生活したい
- 能力と対価のバランスが悪い
- 今の収入だと将来が不安
不満に感じることは、改善できれば満足度が大きく向上します。「デメリットしかない」と感じた際は、何をすれば気持ちが上向くかを考えてみましょう。
またネガティブな気持ちが大きくなると、障害者雇用のポジティブな面を感じにくくなります。
メリット・デメリットの両面から分析することで、障害者雇用への印象が変わるかもしれません。
ネガティブな気持ちは大きくなりやすい!
デメリットしかないと感じる理由
障害者雇用がデメリットしかないと感じる理由を5つ紹介します。
- 給料が低い
- 思ったよりも配慮されない
- やりがいが感じられない
- 希望の仕事に就けない
- キャリアアップに繋がらない
給料が低い
障害者雇用は一般雇用と比べ、給料の低いイメージが強いです。行政が行った実態調査でも、平均年収に大きな開きがありました。
行政が行った給与の実態調査結果は以下の通り。
区分 | 平均年収 |
---|---|
日本人全体 | 約441万円 |
身体障害者(月収×12) | 約258万円 |
知的障害者(月収×12) | 約140万4千円 |
精神障害者(月収×12) | 約150万円 |
発達霜害者(月収×12) | 約152万4千円 |
平均年収の低さには契約社員や嘱託社員などの雇用形態や、短時間勤務の求人が多いことも影響しています。
転職エージェントなどを使って経験者枠の求人に転職することで、年収が上がる可能性があります。
思ったよりも配慮されない
障害者雇用で働いているにもかかわらず、「思ったよりも配慮されない」と感じる方は少なくありません。
また長く勤めるなかで職場との関係性が変わり、入社当初は受けていた配慮がなくなってしまうこともあるでしょう。
あまりにも配慮不足を感じる場合は、定期面談などを通じて調整することも大切です。
やりがいが感じられない
「雑務ばかりでつまらない」「やりがいが感じられない」と感じる方もいるでしょう。
障害者雇用の求人には、正社員のサポート的な役割の求人も多く含まれています。雑務や単純作業ばかりというイメージを持つ方は少なくありません。
また業務の切り出しが上手くいかず、暇を持て余してしまう場合もあります。
やることがない時間は、モチベーション低下の要因のひとつ。「つまらない」と感じてしまうでしょう。
希望の仕事に就けない
障害者雇用にはやりたい仕事がない、希望の職種で求人がない場合があります。
障害者雇用の求人は数が少なく、中でも事務職求人の割合が多いです。
職種によっては求人が全くない可能性もあるでしょう。専門職や管理職のポストも少ない傾向にあります。
希望通りの仕事に就けないことが「デメリット」だと感じる方もいます。
キャリアアップに繋がりにくい
障害者雇用がキャリアアップしにくいことも、デメリットと感じる可能性があります。
障害者雇用は契約社員や嘱託社員など、非正規雇用からスタートするケースが多いです。
重要な業務を任されにくいため、「本当にこの仕事で大丈夫だろうか?」と不安になってしまう事もあるでしょう。
正社員登用制度のない求人も多く、ステップアップが想像できないため障害を隠して働く人は少なくありません。
障害者雇用にはメリットもある
障害者雇用にはデメリットがある一方で、メリットもあります。
ネガティブになるとメリットが見えづらくなり、結果として不満が溜まってしまうかもしれません。
障害者雇用の良い点も整理し、デメリットだけではない事を振り返りましょう。
- 特性や状況に合った配慮を受けられる
- 大手企業・成長企業で働きやすい
- 障害者向けの定着支援が使える
特性や状況に合った配慮を受けられる
障害特性やそれぞれの状況に応じて、配慮を受けられることが大きなメリットです。
配慮を受けながら働くことで、職場に定着しやすくなり、通院や体調に合わせた調整も可能となります。
自分が必要とする配慮を具体的にすることで、より適切にサポートを受けられるようになるでしょう。
ただし業務内容によっては調整しにくい場合もあるため、企業側と定期的にすり合わせを行うことも大切です。
大手企業・成長企業で働きやすい
障害者雇用は従業員数によって雇用枠が決まる関係上、大手企業や成長企業の求人が豊富です。
従業員数の多い企業では、雇用実績や受け入れ体制が出来上がっているため、入社後にサポートを受けやすいことが特徴です。
福利厚生も整っているため、働きやすく長期就労しやすい環境であることが多いです。
成長企業は従業員が増えていくなかで、新しく障害者雇用を検討するケースもあります。既存の枠組みにとらわれず、経験を積むチャンスもあるでしょう。
大手企業の中には障害のある方を手厚く配慮する「特例子会社」を持つ企業もあります。
障害者向けの定着支援が使える
障害者向けの職場定着支援を受けられることもメリットのひとつ。
就労移行支援や障害者就業・生活支援センター(なかぽつ)、転職エージェントなどが企業との間に入って、調整してくれます。
入社後に上手くいかない場合など、第三者が入ることでスムーズに職場適応しやすくなることが多いです。
障害者雇用では入社後に不安が起きやすいこともあるため、定着サポートが受けられることは大きなポイントです。
デメリットしかないと感じるときの対処法
障害者雇用がデメリットしかないと感じてしまったときは、不安をひとつずつ解決していきましょう。
- 給料や待遇面の不安
- 配慮や働きやすさの不安
- キャリアや将来像の不安
配慮や働きやすさの不安
働き方や障害への配慮が不十分だと感じる場合は、「企業へ求めること」を具体的にしましょう。
どんなことに配慮が必要か?を明確にすることで、企業側の理解が進むこともあります。
配慮は企業によってサポートできる範囲が異なるため、定期的な面談などによってバランス調整することが大切です。
給料や待遇面の不安
障害者雇用で給料や待遇面に不安を感じたら、まずは希望を具体的にすることが重要です。
- 給料を月2万円上げたい
- 正社員雇用に切り替えたい
- 能力に応じた評価を受けたい
希望を具体的にすることで、目標が定まります。現職で目標達成できるかどうかを冷静に分析し、可能な場合は「今できること」に細かく仕分けましょう。
今の職場で目標達成が難しい場合でも、転職により大きく改善することも可能。
勤続年数が長くなるにつれて、現職での給与と市場価値との間に差が生まれる場合もあります。
障害者雇用向けの求人サイトや転職エージェントなどで情報収集し、ご自身の職務経験やスキルを客観的に評価することが大切です。
キャリアや将来像の不安
障害者雇用では、ご自身のキャリアや将来像が不安に思うこともあります。
単純作業やサポート業務ばかりで、近い将来に仕事がなくなってしまうかもしれないと感じるのも無理はありません。
将来の仕事に不安を感じる場合は、以下2つのどちらかをオススメします。
- 今の仕事から幅を広げるためのスキルを学ぶ
- 今の仕事から専門性を磨くためのスキルを学ぶ
今の仕事に対して幅を広げて「できること」を増やすか、何かの分野に特化して付加価値を付けてください。
職場に対して「これをやりたい」と意思表示することで、環境を変えるキッカケにもなるでしょう。
障害を隠して働く「クローズ就労」
障害者雇用のデメリットが受け入れられず、障害を隠して働く「クローズ就労」を選ぶケースは少なくありません。
収入面で問題があり、生活できないからと一般雇用を選ぶこともあるでしょう。
区分 | 平均年収 |
---|---|
日本人全体 | 約441万円 |
身体障害者(月収×12) | 約258万円 |
知的障害者(月収×12) | 約140万4千円 |
精神障害者(月収×12) | 約150万円 |
発達霜害者(月収×12) | 約152万4千円 |
やりたい仕事・職種が障害者雇用にない場合、クローズ就労を選びたくなる気持ちも分かります。
私自身、妻も子供もいるなかで発達障害と診断され、障害者雇用の給料では生活が苦しいからとクローズ就労をした経験があります。
クローズ就労は職場定着率が低く、すべての人にはオススメできません。しかし本当に優先したいことのためにクローズ就労を選ぶのは選択肢のひとつです。
自分で特性をコントロールできるならアリ!
働きながら障害者雇用の求人を探す方法
働きながら転職活動を進める方の場合、ハローワークではなく転職エージェントを使うことをオススメします。
- 大手企業や採用に積極的な企業の募集が豊富
- 書類添削や面接対策などのサポートが手厚い
- 企業との雇用条件や年収の交渉も代行してくれる
ハローワークと違い求人応募のために何度も通う必要がないため、忙しい社会人の転職活動にピッタリ。
限りある時間の中で効率よく進めるために、使えるサービスはフル活用することをオススメします。
初回面談もウェブ会議ツールでOKのところが多いよ!
障害のある方を専門とする「障害者向けの転職エージェント」もあるので、本気で転職を目指したい方はぜひ活用してください。
その他の障害者向け転職エージェントについては、以下の記事で詳しく紹介しています。
まとめ|障害者雇用のデメリットは対策可能
本記事では障害者雇用のネガティブな印象と、デメリットしかないと感じた場合の対策について紹介しました。
- 「デメリットしかない」と思ったときは不満の理由を探る
- 障害者雇用のデメリットと思われやすいポイント5つ
- ネガティブに感じるときの対処法
障害者雇用はすべての障害がある人に完璧な働き方ではありません。場合によってはデメリットだと感じることもあります。
大切なのはデメリットだと感じたポイントを大切にし、より満足のいく働き方を探すこと。本記事を参考にし、少しずつ働きやすい環境を作っていきましょう。