- 自己分析って何をすればいいのか分からない…
- 障害者雇用でも自己分析する意味ってあるの?
- 自分の特性を周りの人に知ってもらいたい!
発達障害がある方のなかには、自己分析ができずに困っている方は少なくありません。
自分の特性が説明できなかったり、良いところが分からなかったりと、前向きになれない人もいるでしょう。
私自身も発達障害と診断されてから、生活が落ち着くまで時間がかかりました。
自分にできる事なんかないと落ち込む期間も長かったよ。
本記事はそんな発達障害の方に向けて、自己分析が進まないときのコツを紹介します。
結論からお伝えすると、自己分析だと漠然と考えるのではなく「自己の何」を分析するか細かく設定しましょう。
- 自己分析って難しくない?
- 自己の何を理解すればいいの?
そんな方は本記事を、ぜひ最後までお読みください。
自己分析にオススメしたいツールはミイダス。誰でも無料で利用でき、ストレス要因・職務適性・上下関係適性などさまざまな回答結果を得られます。
特にストレス要因は発達障害を持つ方が働くうえで意識すべきポイントのひとつ。どんなときに負荷がかかるのかを知っておくだけでも、職場定着や活躍にいい影響を与えるでしょう。
自己分析が苦手な発達障害者は多い
自己分析は就職・転職活動のはじめに行うことが多い作業。強みや弱みだけでなく、将来的な目標を決めることにも役立ちます。
しかし発達障害のある方のなかには、自己分析ができず困っている人は少なくありません。
- 何を分析すればいいか分からない
- 自分の特徴や良さを客観視できない
- 結局ネガティブになって諦めてしまう
就職・転職において、自分の能力を客観的に説明することは重要。自己分析がうまくいかない場合、企業にアピールすることができません。
ただ「自己分析ができない」と悩むのではなく、まずは分析する対象を細かく分けるところから始めましょう。
自己分析って何…?って悩んで止まっちゃう人もいる!
障害者雇用の転職で欠かせない自己分析のやり方については、以下の記事でまとめて紹介しています。
「自己分析・自己理解」は細かく分けて考えよう
自己分析や自己理解は、ただ漠然と考えていても何も進みません。
「自己の何」を分析・理解するか細かく決めて、小さい課題から少しずつ整理していくことをオススメします。
自己分析を細かく分けた例をいくつか紹介します。課題だと思う項目から、優先的に進めてみてください。
- 自分の障害特性を言葉にする
- 失敗しやすいポイントを知る
- 仕事の中から成功体験を探す
- 自分の長所や得意分野を知る
- 好き・興味がある事を整理する
自己の”何を”分析するか決めよう!
自己分析ができないときの対処法3つ
自己分析を考えても進まないときは、以下の方法を試してみてください。
- マインドマップに頭の中の言葉を書き出す
- 自己分析ツールの診断からヒントを探す
- 障害者支援を使い第三者の意見を聞く
一人でただ悩むだけだと、考えが行き詰まって前に進めなくなることもあります。
書き出して整理したり、第三者の意見も取り入れたりすることで、思わぬ発見があるでしょう。
自分の頭だけで考えるのは限界があるよ!
マインドマップに頭の中の言葉を書き出す
- 同じことばかりを考えてしまう
- ネガティブになって前に進まない
- 考えがゴチャゴチャして整理できない
頭の中だけで自己分析してもうまくいかない場合は、マインドマップを使って整理してみましょう。
自己分析での使い方は以下の通り。
- 自己分析する細かい課題を決める
- 課題に対して思いついたことを書く
- 似たような内容をまとめて繋げる
思いつくままに書き出していくことで、思考の堂々巡りを防ぐことも可能。頭の中を空っぽにすることで、隠れていた本音を見つけられる場合もあるでしょう。
オススメのマインドマップソフトは「Xmind」。PC・スマホ両方対応しており、無料でも使えます。
自己分析ツールの診断からヒントを探す
転職サイトの自己分析ツールを使うことで、客観的な診断を得られます。
- 長所・短所
- 仕事の価値観
- ストレス源
- 職種ごとの適性
- 環境の向き不向き
ツールの診断結果と過去の経験を照らし合わせて使うと、弱みだと思っていたことへの価値観が変わることもあるでしょう。
一人で考えるだけでは見つからなかった、隠れた特徴も発見できます。
まずは無料の自己分析ツールを使い、診断結果をチェックしてみてください。
就労移行支援を使い第三者の意見を聞く
一人で自己分析を進めることが難しい場合は、就労移行支援を頼ることも有効です。
就労移行支援とは、障害者総合支援法が定める障害福祉サービスの一つ。一般企業への就職を希望する障害者の方々が、必要な知識や能力を習得するために行われる支援です。
引用:ミラトレ
就労移行支援は障害がある方を対象に、一般企業への就職を目指すサポート施設。一定期間通いながら、働くためのトレーニングができます。
短期離職や転職を繰り返し、働けなくなっている方は就労移行支援に頼るのも一つの手です。
生成AIを使った自己分析のサポート方法
一人で自己分析を進めるのが難しい場合、生成AIを使ってサポートしてもらうのも有効です。
「デジタルの壁打ち相手」として、自分の好きなタイミングで自分の考えを整理できます。
- モヤモヤとした気持ちをぶつけて整理してもらう
- 経験や特性を言語化する際の手助け役
- 自分の”良さ”が見つからない時の客観的な視点
生成AIのツールは、無料で使える「ChatGPT」でOK。メールアドレスの登録だけで、手軽に使えます。
生成AIに対して、以下の文章を投げかけて会話を始めましょう。
私は発達障害があり、自己分析がうまくできません。 「転職のプロ」として、私の自己分析を言語化する手助けをしてください。 具体的には、自己分析で「自分の長所」を整理したいと思っています。 私に対して、ひとつずつ質問を投げかけてください。
上記の文章を使って、実際にChatGPTとやりとりを行いました。途中で「思いつかない」「分からない」といった回答をしても、根気強くサポートしてくれています。
ChatGPTとの会話文を開く
私は発達障害があり、自己分析がうまくできません。
「転職のプロ」として、私の自己分析を言語化する手助けをしてください。
具体的には、自己分析で「自分の長所」を整理したいと思っています。
私に対して、ひとつずつ質問を投げかけてください。
もちろんです。自己分析で「長所」を整理するために、一つずつ質問を投げかけて進めていきますね。まずは、あなたがこれまでの経験の中で、得意だと感じたことや、他の人に褒められたことについて考えてみましょう。
最初の質問です:
- これまでの仕事や日常生活で、特にうまくいったと感じた瞬間や、得意だと思ったことは何ですか?
具体的なエピソードでも、小さな出来事でも構いませんので教えてください。
思いつかない
大丈夫です、焦らず進めましょう。思いつかない場合は、少し視点を変えて考えてみましょう。次の質問に答えていただけると、あなたの強みが見えてくるかもしれません。
- 他の人から「ありがとう」「助かった」と言われたことはありますか?それはどのような場面でしたか?
もし誰かに感謝された経験があれば、それを思い出してみてください。その行動があなたの長所の一部かもしれません。
よく仕事が丁寧だといわれる
「仕事が丁寧」とよく言われるのは素晴らしい長所ですね。丁寧さは、信頼を得やすい特徴でもありますし、ミスを減らして質の高い結果を出す力になります。
次の質問に進みましょう。
- あなたが「丁寧さ」を発揮するとき、具体的にどのような行動をしていますか?たとえば、確認作業に時間をかける、細かいところまで気を配るなど、どんなことに気をつけていますか?
これを整理すると、さらに具体的な長所が見えてきます。
数字の間違いを起こさないように指でなぞって確認している
指でなぞって数字を確認するというのは、非常に注意深く丁寧な確認方法ですね。これはあなたの「正確さ」や「注意力の高さ」が表れている行動だと思います。多くの人が見逃しがちな細かいミスを防ぐことができるのは、大きな強みです。
これを踏まえて、もう少し掘り下げてみましょう。
- 数字やデータを扱う場面で、他の人よりも自分が優れていると感じたことや、特に自信があることはありますか?たとえば、他の人がミスをしがちなところでも、あなたがしっかり対処できたような経験があれば教えてください。
このあたりを整理すると、さらに深い強みを明確にできます。
見積書の合計が合わなくても再確認で修正できた
見積書の合計が合わなかったときに、再確認でミスを見つけて修正できたという経験は、あなたの「細部へのこだわり」と「問題解決力」が際立つエピソードですね。他の人が見逃すようなミスにも気づき、修正できるのは大きな強みです。
次に進みます。
- このような場面で、特に自分が「ここは他の人に負けない」と感じるポイントはどこでしょうか?たとえば、数字に対するこだわり、時間がかかっても正確さを重視する姿勢など、何があなたを特に強く支えていると感じますか?
この部分を明確にすると、あなたの長所がより具体的に言語化できるでしょう。
分からない
わからない場合は大丈夫です。少しずつ掘り下げて進めていきましょう。あなたが「数字の確認」や「丁寧な仕事」を大切にしていることは既にわかっていますので、それをベースにもう少しサポートしていきますね。
次の質問で少し違った視点から考えてみましょう。
- 数字の確認や丁寧な作業をしているときに、あなたが気持ちよく感じる瞬間や「これなら自分は頑張れる」と思える部分はありますか?
感覚的なものでも構いません。「やりがい」や「満足感」を感じる瞬間を考えてみてください。それが、あなたの強みの背景になる可能性があります。
誤差が出ず数字がぴったり合っていたとき
数字がぴったり合ったときに気持ちよく感じるということは、あなたは「正確さ」や「完璧さ」を重視するタイプですね。ミスを防ぐために丁寧な確認作業をし、それが成果として現れたときに満足感を得ている。これはとても強力な長所です。
では、さらに具体的に整理していきましょう。
- その「正確さ」を発揮するために、日常的に意識していることや、自分なりの工夫はありますか?たとえば、作業の手順を決めているとか、チェックリストを使っているなど、何かあれば教えてください。
これを整理すると、あなたの「長所」が明確になります。
エクセルと電卓ツールでWチェックしている
エクセルと電卓ツールでWチェックしているのは、非常に有効な工夫ですね。ダブルチェックによってミスを減らし、より高い正確性を保つ姿勢は、プロフェッショナルとして重要な長所です。あなたは「注意深さ」「問題解決力」「正確さ」に優れていると言えます。
ここまでの整理から、あなたの長所がいくつか見えてきました。例えば:
正確さ:数字やデータに対して高い正確さを持って作業できる。
丁寧さ:一つひとつの作業に注意を払い、細部まで確認する力がある。
工夫力:Wチェックなど、自分なりの方法でミスを防ぐ仕組みを取り入れている。
これを踏まえて、最後にもう一つ質問します。
あなたのこれらの強みを、今後の仕事や転職活動でどう活かしていきたいと考えていますか?どんな場面でこの強みを発揮できそうだと思いますか?
これが今後の方向性を考える手助けになるかもしれません。
分からない
わからないということは、まだ方向性がはっきりしていないということですね。それでも、これまでの整理で「正確さ」や「丁寧さ」があなたの強みであることは明確になっています。次のステップとして、その強みをどんな場面で活かせるかを一緒に考えてみましょう。
少しヒントを出す形で質問をしますね。
- あなたの「正確さ」や「丁寧さ」を求められる仕事や場面には、例えばどのようなものがあると思いますか?たとえば、経理や事務、データ分析など、数字を扱う場面で活かせそうだと感じるものはありますか?
この質問を考えることで、今後の方向性を少しずつ見つけられるかもしれません。
お金に関わることは活かせそう
お金に関わることに活かせそうだというのは、素晴らしい方向性ですね!経理や財務、会計など、数字を扱う仕事はあなたの強みである「正確さ」や「丁寧さ」が非常に求められる分野です。これらの仕事では、ミスが大きな影響を及ぼすため、あなたの能力が大いに役立つでしょう。
ここで、あなたの長所を整理した内容をもとに、今後の転職活動に役立てられるようにまとめてみますね。
あなたの長所と活かせる方向性
正確さ
数字やデータの処理において高い正確さを発揮できる。
お金に関わる業務で重要な役割を果たすことができる。
丁寧さ
仕事に対する丁寧なアプローチで、質の高い成果を出すことができる。
顧客や同僚からの信頼を得やすい。
工夫力
Wチェックなど、自分なりの方法を取り入れることでミスを防ぐ姿勢を持っている。
効率的に仕事を進める手段を考えることができる。
次のステップ
これを踏まえて、今後の転職活動では、以下のようなことを意識してみてください。
履歴書や職務経歴書でのアピール:上記の長所を具体的なエピソードとともにアピールできるように整理してみましょう。
面接対策:数字を扱った経験や、丁寧な作業を通じて得た成果を具体的に語れるように準備しておきましょう。
このように、あなたの強みを明確にし、それを活かせる仕事を探していくことで、より自分に合った職場を見つける手助けになるでしょう。もしさらに深堀りしたいことや質問があれば、遠慮なく教えてください。
次に何をしたらいいの?
次に進むための具体的なステップを提案しますね。あなたの長所を活かして転職活動を進めるために、以下のようなことを考えてみましょう。
- 自己PRの作成
あなたの長所をアピールするための自己PRを作成します。具体的なエピソードや成果を交えて、あなたの強みを強調しましょう。以下のポイントを考えてみてください。
強みの明確化:前回の会話で整理した「正確さ」「丁寧さ」「工夫力」を基に、どのような場面でこれらを発揮したかを考えましょう。
具体例:例えば、「見積書の合計をWチェックしてミスを防いだ」など、実際のエピソードを入れると良いでしょう。
- 求人情報のリサーチ
お金に関わる仕事を中心に、求人情報をリサーチします。経理、財務、会計など、具体的な職種を検索してみましょう。以下のポイントを考慮してください。
求められるスキル:求人情報から、どのようなスキルや経験が求められているかを確認します。
職場の雰囲気:企業のウェブサイトや口コミを調べ、あなたに合った職場環境かどうかを考えましょう。
- 職務経歴書の更新
現在の職務経歴書を見直し、あなたの長所や具体的な成果を反映させます。以下のポイントを考えてみてください。
成果の具体化:あなたがどのようにして数字を扱っていたか、具体的な成果を数字で示すことができると良いでしょう(例:ミスを何%減少させたなど)。
スキルのアピール:エクセルや電卓を使った業務での強みを明記します。
- ネットワークを活用する
あなたの周囲の人に、転職の意向を伝え、情報や紹介を求めることも重要です。人脈から新しいチャンスが見つかるかもしれません。 - スキルアップを考える
もし興味があれば、さらにスキルを磨くための勉強や資格取得も考えてみてください。例えば、簿記や会計の資格などは、経理や財務の職種に役立ちます。
これらのステップを踏むことで、あなたの長所を活かしながら、より良い転職先を見つけることができるでしょう。どのステップから始めたいか、または具体的に助けが必要な部分があれば教えてください。
一人で自己分析をしていて行き詰まりを感じる場合、試しに生成AIへの相談をオススメします。
就職・転職で自己分析が必要な理由は満足度のため
就職・転職活動で自己分析を行うのは、入社後の満足度を高めるためです。
自己分析を進めることで、自分が仕事に対して「どんな価値観を持っているか?」「何を優先すれば満足度が高いのか?」が分かります。
しかし自己分析を行わずに求人応募すると、給料や待遇などの分かりやすいメリットに飛びつき、納得感が得られず短期離職してしまうこともあるでしょう。
入社後に後悔しないために、自己分析はとても大切なステップです。
内定に飛びついて何度も後悔したよ…。
まとめ|発達障害があっても自己分析はできる
本記事では自己分析が苦手な発達障害のある方に向けて、分析する内容を細かく分ける方法について紹介しました。
- 自己分析・自己理解では何をすればいいか分からない
- 分析する対象を細かく分けて一つずつ進める
- ツールの解析結果や第三者の意見も大切
自己分析は簡単に終わるものではありません。細かく分けて、ひとつずつ理解を深めていくことが大切です。
本記事を参考にし、自己分析を進めていきましょう。