- 収入が安定しなくて生活が不安
- 給料が低くて一人暮らしできない
- 障害者雇用ってずっと不安定なの?
障害者雇用と給料問題。配慮を受けながら働けてはいるものの、給料が低く一人暮らしや自立までは難しいという方は多いです。
前職は最低賃金からほとんど上がらず苦しかった…
本記事では、障害者枠で生活できないと言われる理由と、対処法について詳しくまとめました。
単に「生活できない」とはいっても、抱えている不安によって取るべきアクションが変わります。
- 生活や給料が安定せず一人暮らしできない
- 収支や貯蓄の余裕が作れない
- 将来の雇用環境に不安を感じる
- 「もっと収入を増やしたい」
- 「一人暮らしするのが目標」
そんな方は本記事を、ぜひ最後までお読みください。
障害者枠では生活できないと言われる理由
障害のある方が就職する際、多くの方が選択する障害者枠の求人。障害者手帳を開示することで、一定の配慮を受けながら働くことができる働き方です。
障害上不利なことを避けてもらえたり、特性に対して調整してもらえたりする一方で、給料が低めに設定されているケースは多いです。
障害者雇用はデメリットだと感じる場合もあるでしょう。
生活や支出で不利な面もあるため、「生活できない」「自立が難しい」との声も少なくありません。
具体的には、以下の点が不利に働いてしまっていることが多いです。
- 労働時間
- 雇用形態
- 業務内容
- 年収設定
- 定着率
ステップアップするのが大変!
労働時間
障害者雇用では、体調管理や疲れに配慮し、労働時間を短く設定している企業があります。
フルタイム勤務であっても、残業を免除や、体調不良での休暇の配慮を実施している場合もあるでしょう。
思うように働けない結果、給料が少なく「生活できない」と感じてしまう人は少なくありません。
雇用形態
障害者雇用の雇用形態は、多くが契約社員や嘱託社員などの非正規雇用。正社員雇用と比べて不安定だと感じる人もいるでしょう。
時給労働の働き方になったり、ボーナスの支給がない場合も多く見られます。ボーナスがない分だけ年収も下がり、一般雇用と比べて低めの給与設定の求人が多いです。
一部の企業では正社員登用の道筋を用意しているところもありますが、未だに「障害者雇用だから」と現状維持の職場は多い状況です。
業務内容
障害者雇用の業務内容は、補助や単純作業などの簡単な業務が多い傾向にあります。負荷をかけない働き方には一役買っているとはいえ、スキルや強い実績を身に付けにくい環境が多いです。
重要な仕事を担当していなければ、やはり大きな給料アップは難しいです。配慮を受ける中で、成長する機会を失ってしまっている可能性もあります。
年収設定
障害者雇用は一般雇用と比べ、年収が低く設定されている場合が多いです。正社員登用や昇給・昇格がない、ボーナス不支給などの求人も多数あります。
前述した補助的な業務が多いことも、年収が低めに設定されている理由のひとつと考えられます。
現在の給料が低いことに加え、将来的な給料アップの見通しが立ちにくいことも、一人暮らしなどの自立をためらってしまう要因になるでしょう。
定着率
障害のある方は職場定着率が低く、短期離職につながりやすいというデータがあります。
障害種別 | 職場定着率(3ヶ月経過) | 職場定着率(1年経過) |
---|---|---|
発達障害 | 84.7% | 71.5% |
知的障害 | 85.3% | 68.0% |
身体障害 | 77.8% | 60.8% |
精神障害 | 69.9% | 49.3% |
自身に適切な職が見つからない、無理して体調を崩し休職してしまうリスクもあるでしょう。
たとえ高年収の求人に採用されたとしても、定着し働き続けられなければ意味がありません。安心して定着できる仕事を探すことも、生活を安定させるために有効です。
フルタイム勤務でも自立しにくい
障害者雇用で朝から夜までフルタイム勤務していても、健常者の一般雇用と比べた場合は不利になりやすいです。
障害者雇用の給料が少ないことに加え、生活するうえでもデメリットが存在します。
- 通院欠勤・処方薬による出費
- 疲れやすく勤怠に波がある
通院と疲労のケアは本当に大事!
通院欠勤・処方薬による出費
障害のある方の中には、病院へ定期通院したり、薬を処方してもらったりする方が多いです。自己負担による出費は、生活コストを圧迫します。
また休日に診療を受けられない場合、通院のために欠勤しなければいけません。
有給休暇を使い切ってしまうと、休んだぶんだけ給料が減ってしまいます。
疲れやすく勤怠に波がある
障害のある方は健常者に比べて、疲れやすい方が多いです。通勤・移動で体力を大きく消耗したり、精神的に疲れてしまうこともあるでしょう。
勤怠に波があり安定して出勤できないと、それだけ安定した収入が確保しにくいです。
障害者枠で生活できない場合の対処法
障害者の給料で生活できない場合の対処法を、状況別に紹介します。
生活環境や給料が安定しない
短期離職しがちな方や、欠勤などが増えてしまう方の場合は、まず生活の基礎を立て直すことが必要です。
目先の問題を一つひとつ丁寧に解消していき、安定して働く土台を固めましょう。
- 生活コストを見直す
- 職種や働き方を自己分析する
- 福祉制度を使って支援を受ける
生活コストを見直す
生活の支出に対して給料が足りない場合、まずは生活コストを見直すことが大切です。毎月の支出が大きいと、それだけ生計を維持するための高い給料が必要になります。
使わないサブスクの解除や不必要な出費などをひとつずつ減らし、支出をスリム化することをオススメします。
固定費のインパクトが大きい「家賃・スマホ・サブスク」を見直すだけでも、かなり楽になるでしょう。
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職種や働き方を自己分析する
今の職場や働き方で問題ないか、改めて自己分析してみるといいでしょう。自分に合わない仕事を選び、無理して働き安定しないケースが考えられます。
障害者雇用は一般雇用よりも、選べる職種や勤務形態が少なめ。事前に求人サイトなどを眺めておき、どんな職種の仕事があるかチェックしておくことが大切です。
場合によっては障害を隠して一般雇用で働いたり、フリーランスで生計を立てる方が向いている可能性もあります。
福祉制度を使って支援を受ける
休職や短期離職を繰り返してしまっている場合、福祉制度を利用して支援を受けることが有効です。
自立して生活するには、安定して働き続けることが何よりも不可欠。ご自身が使える福祉制度を網羅し、安心して暮らせる環境を整えましょう。
使えるものは何でも使うのが大事!
収支や貯蓄の余裕が作れない
障害者雇用の給料だと生活がギリギリ、貯蓄がなかなか作れないという方は、給料を底上げできる方法を探しましょう。
現職でより良い雇用条件を目指すことで、改善できる可能性があります。
- 現職で正社員・昇格を目指す
- 資格・スキルアップによる手当を狙う
現職で正社員・昇格を目指す
現職で昇格や正社員登用の制度がある場合、評価を得ることを目標とするのは有効です。昇給・昇格により給料が増えれば、収支バランスの安心にも繋がります。
一方で昇格により職場での責任や役割が増えるため、ご自身が負荷に耐えられるのか注意深く考えることも大切。せっかく給料が上がっても、体調を崩してしまったら台無しになってしまいます。
職場によっては登用制度がない求人もあるため、まずは就業規則を確認してみましょう。
資格・スキルアップによる手当を狙う
職場で資格手当が受けられる場合、資格の勉強をして手当をもらうことも選択肢のひとつ。資格は手当による給料アップだけでなく、勉強によって得た知識を仕事に活かせるのも魅力です。
資格手当の制度がない場合もあるため、やみくもに取り組まず、必ず制度の事前確認をしましょう。
手当たり次第じゃなくて、実務と関連する資格を取ろう!
将来の雇用環境に不安を感じる
障害者雇用の仕事がなくなるのでは?と不安を覚える方は多いです。
- 今の仕事って何年先まで続けられるんだろう。
- 将来仕事がなくなったら生活できなくなるかも。
今は昔のように終身雇用が機能しておらず、就職すれば定年まで安心という訳にはいきません。
中には業務をほとんど渡されず、「職場にいるだけの社内ニート化」している人もいるでしょう。
最近では生成AIの発達により、障害者雇用の仕事がなくなるのではと心配している方もいます。
目先の生活は問題なくても将来が不安という方には、以下の2つをオススメします。
- 副業にチャレンジする
- 待遇の良い会社へ転職する
副業にチャレンジする
障害者雇用の仕事と平行して、副業にチャレンジするのは効果的。会社以外から収入を得る方法が身に付き、新しい分野に挑戦することでリスクヘッジにも繋がります。
副業は”会社の看板”を使わず、個人で収入を得る仕事。難易度も高く障害配慮などもありません。
しかし副業でお金を稼げるようになれば、会社からの給料に依存する割合を減らせます。
オススメは副業プラットフォームの大手「クラウドワークス」。さまざまな依頼が掲載されているので、ご自身に合った依頼を見つけられます。
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働きながら転職活動をしてみる
働きながら転職活動をすることは、将来に不安を感じたときに効果的。単に新しい仕事を探すだけでなく、自分の市場価値を理解する機会にもなります。
長く働くと仕事の責任が増し、給料と仕事内容のバランスが合わなくなることもあります。転職活動を通じて、現職との関係を見直すキッカケにもなるでしょう。
もし魅力的な会社から内定を受けた場合、転職を決断することも一つの選択肢。
転職は給料アップだけでなく、働き方や職種を見直す良い機会になるでしょう。
障害者雇用であっても、仕事は仕事。より良い職場環境を求めるためにも、キャリアの再評価は重要なステップです。
私は「リモートワーク」を主軸に転職したよ!
転職で今よりも給料を上げるには
給料アップを「転職の軸」として目指す場合、目先の求人に飛びつかず方針を決めることが重要です。
ご自身のスキルや経験を正しく把握し、どのような求人にアプローチするか明確にしてください。
- 従業員の多い大手企業を目指す
- 業績が伸びている成長業界を狙う
- 障害を伝えずクローズ転職する
- リモートワークで通勤時間を勉強・副業に
従業員の多い大手企業を目指す
障害者枠で転職活動をする際、特に注目したいのは企業規模。従業員が多ければ多いほど、障害者雇用の枠も増え労働環境が整っている可能性が高いです。
正社員登用制度や管理職への昇進実績などが充実しているため、昇給する可能性も上がります。
福利厚生も整っており、安定した雇用環境を求める方には良い選択肢となります。
業績が伸びている成長業界を狙う
直近で業績が伸びている成長業界では、利益が会社に残りやすく給料に反映される可能性が高いです。
成長中の企業では事業規模がどんどん拡大されるので、人手不足になりがち。採用意欲が高く転職のチャンスも豊富です。
従業員が増えたことで初めて障害者雇用を検討する企業もあるため、自身で開拓しながらスキルを身に付けたい方と相性がいいでしょう。
決まった業務よりも新しい仕事にチャレンジしたい方にオススメです。
障害を伝えずクローズ転職する
ご自身で障害をコントロールでき、安定して働ける方は「クローズ転職」も選択肢のひとつ。
一般雇用は障害者雇用と比べて職種や働き方の選択肢が多く、給料も高い傾向にあります。そのため障害を隠して転職することで、給料が上がる可能性があります。
クローズで転職する際は、障害の仕事への影響を十分に理解し、慎重に判断することが大切です。
リモートワークで通勤時間を勉強・副業に
目先の給料アップではなく、将来を見越して勉強・副業の時間を確保することも有効です。
近年急速に発達した「リモートワーク」では、職場への通勤時間をカットすることで自由に使える時間を確保できます。
自由時間を将来への投資と考え、生涯年収アップのために勉強したり、副業で会社に頼らず副収入を得るのも検討する価値があるでしょう。
通勤で消費してしまうエネルギーを有効に使うために、リモートワークを前提とした転職も選択肢のひとつです。
転職活動は転職エージェントの利用がオススメ
働きながら転職活動を進める方の場合、ハローワークではなく転職エージェントを使うことをオススメします。
- 大手企業や採用に積極的な企業の募集が豊富
- 書類添削や面接対策などのサポートが手厚い
- 企業との雇用条件や年収の交渉も代行してくれる
ハローワークと違い求人応募のために何度も通う必要がないため、忙しい社会人の転職活動にピッタリ。
限りある時間の中で効率よく進めるために、使えるサービスはフル活用することをオススメします。
初回面談もウェブ会議ツールでOKのところが多いよ!
障害のある方を専門とする「障害者向けの転職エージェント」もあるので、本気で転職を目指したい方はぜひ活用してください。
その他の障害者向け転職エージェントについては、以下の記事で詳しく紹介しています。
まとめ|障害者枠の給料で生活できない場合の対処法
本記事では障害者雇用で生計を立てたり、生活したりするのが難しい場合の対処法について紹介しました。
- 障害者雇用は一般雇用と比べて給料が低め
- 勤怠安定や資格取得など具体的な目標を作る
- 転職活動や副業で大幅に改善する可能性もある
給料は生活するうえで欠かせない大切なもの。働くモチベーションにも直結するため、不満や不安は解決するに越したことはありません。
まずは勤怠や給料に直結する資格取得などを目標とし、改善が見込めない場合は転職活動を始めてみるのも有効です。
転職は大きな決断だけど、転職活動自体はリスク無し!
ぜひ本記事を参考にし、ご自身の不安をひとつずつ解消していきましょう。