自己分析は、自分の特性や得意・不得意を理解するために欠かせない作業です。
しかし、発達障害のある方のなかには、日常生活や仕事での失敗体験から自己評価が下がりやすく、「自分には強みがない」と思い込んでしまう方も少なくありません。
私自身ASDと診断を受けたあとでも、長いあいだ「私はみんなより劣っている存在なんだ…」と思い込み苦しんでいました。そんなときに役立ったのが、客観的なデータからヒントを提示してくれる自己分析ツールです。

客観的な視点が苦手なタイプの人は特におすすめ!




本記事では自己分析に苦手意識のある方へ向けて、手軽に使えて情報量が多いおすすめの自己分析ツールを紹介します。
一部のツールでは、私が実際に使った「生のデータ」を公開するので参考にしてください。
自己分析ツールを自己理解や転職活動に役立てたい方は、本記事をぜひ最後までお読みください。
これから紹介するツールのなかで、私が特におすすめしたいのはミイダスです。
誰でも無料で使えて、ストレス要因・職務適性・上下関係適性などさまざまな回答結果が得られます。
特に「ストレス要因」は、発達障害のある方が働くうえで非常に大切なポイントのひとつ。どんなときに負荷がかかるのかが分かれば、仕事で受けやすいストレスを事前にキャッチできます。
\ ストレス要因が10段階でわかる! /
自己分析はツールを使うと効率的に進められる


自己分析ツールは、いくつかの質問に答えるだけで「職業適性」や「強み・弱み」などをデータ化してくれる便利なツールです。
頭の中だけで考えるよりも短時間で客観的な情報を得られるため、効率的に自己理解を進められます。
特に発達障害のある方は、過去の失敗体験や自己評価の低さから「どうせ自分には強みがない」と思い込みやすい傾向があります。ツールを活用することで主観的なノイズを減らし、事実に基づいた分析結果を知ることができます。
得られた分析結果をより活かすために、こんな視点で振り返ってみましょう。
- 自己イメージと分析結果にズレはないか?
- 複数のツールで共通して出てくる特性は何か?
- 結果に納得できる経験やエピソードはあるか?
結果をただ読むだけでなく、「自己理解を深める材料」として扱うことが大切です。
ただし、自己分析ツールの結果はあくまで参考情報。「この分析結果が出たから私はこういう人間だ」と思い込む必要はありません。
逆に「当たらないから意味がない」と切り捨ててしまうのも”もったいない”です。あくまで客観的な意見のひとつとして、柔軟に受け止めましょう。



結果を読んで「ふーん。」で終わるともったいない!
働き方を見直すおすすめ自己分析ツール9選
キャリアの見直しや転職活動に使える自己分析ツールを9つ紹介します。
サービス名 | ![]() ![]() ミイダス | ![]() ![]() キャリアインデックス | ![]() ![]() リクナビNEXT | ![]() ![]() doda | ![]() ![]() ASSIGN | ![]() ![]() job tag | ![]() ![]() 多重知能テスト | ![]() ![]() ストレングス・ファインダー | ![]() ![]() ポテクト |
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利用料金 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 | 有料 | 有料 |
利用登録 | 必要 | 必要 | 必要 | 必要 | 必要 | 不要 | 不要 | 必要 | 必要 |
所要時間 | 30分 | 10分 | 30分 | 5分 | 3分 | 10分 | 5分 | 30分 | 30分 |
詳細 | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る |
ミイダス【特におすすめ】


ミイダスはキャリアに悩む転職者に向けた人材オファーサイト。詳細な結果シート付きで、使いごたえのある自己分析ツールが無料で使えます。
提供しているのは「ミイダス株式会社」。「HRサイエンス研究所」「NTTデータ経営研究所」と共同開発しており、分析結果の精密さは非常に信頼できます。
ミイダスに登録することで、以下3つの分析ツールが利用可能です。
- 市場価値診断
- コンピテンシー診断
- バイアス診断ゲーム






各診断ごと、所要時間は30分程度。ボリューム感のある質問により、精密な診断が受けられます。
特にチェックしてほしいのは、コンピテンシー診断のコンテンツ「ストレス要因」。さまざまなシチュエーションごとに、ストレスの感じるレベルを10段階で評価してくれます。


発達障害のある方は、一般の人よりストレスを感じやすい方が多いです。ご自身がストレスに感じやすいポイントを知っておくことで、事前に対処することが可能になります。
ミイダスはこの「ストレス要因」の10段階評価だけでも、利用する価値が高い自己分析ツールです。



なんとなく感じていたストレス要因が、しっかり言語化されてる!
\ ストレス要因チェックが優秀! /
キャリアインデックス


複数サービスの求人をまとめて探せる転職サイト「
適職診断では「性格と傾向」「自分の強み」「仕事へのこだわり」などをグラフ付きで解説。直感的に回答していき、10分程度で診断が完了します。
- 5段階の選択式:30問
- 順位入れ替え式:9問
手軽に自分の傾向を掴みたい方に、おすすめの自己分析ツールです。



私は「研究・開発」「営業」が向いているんだって!
\ 3つの視点で手軽に解説! /
リクナビNEXT


業界最大手の転職サイト「リクナビNEXT」。登録者向けサービスのなかに、無料で使える自己分析ツール「グッドポイント診断」があります。
グッドポイント診断は解説付きで「あなたの強み」を5つ提示してくれるツール。利用者の満足度が非常に高く、客観的な視点で強みを探せると高評価です。
その代わり質問数は300問と大がかり。回答し終わるまで30分以上かかるため、片手間ではなくじっくり自己分析に取り組みたいという方にオススメです。





「柔軟性・親密性・感受性・悠然・決断力」に強みがあったよ!
\ 5つの強みで細かく分析! /
doda


転職サイトで有名な「doda」でも、いくつかの自己分析ツールが使えます。転職活動でアピールできる強みを探したり、次に伸ばすべき課題を探したりするのに利用しましょう。
- 「自己PR」発掘診断
- キャリアタイプ診断
- 転職タイプ診断
- モヤモヤ解消診断
- オンライン仕事力診断
「自己PR」発掘診断の利用シーン
設問数が少なく手軽に使える分析ツールばかりのため、じっくり自己分析するツールの補助としてオススメ。「doda」の転職サイトでそのまま転職活動も行えるので、求人探しのついでに自己分析ツールも使ってみましょう。
\手軽に使える自己分析ツールが豊富!/
ASSIGN


ASSIGNは20~30代向けの転職アプリ。たった3分で診断可能な、無料のキャリア診断が利用できます。
ASSIGNのキャリア診断は回答をAIが分析することで、強みレポートとオススメ業界×職種ランキングを診断してくれる内容。障害者向けツールではないので発達障害は考慮されないものの、全体的にどの方向性で進めば能力を発揮しやすいかが分かります。
特に「特徴的な強み」は要チェック。自分では気付けなかった「自己PRポイント」を発見でき、今後さらに磨きをかけるべき項目が明確になります。
よしだの診断レポート
よしだの職業ランキング
印象としては「改めてキャリアを積みたい人」や「自分の力でもう少し挑戦したい人」に合うアプリです。
自己分析ツールだけでなく、アプリ上からそのまま一般転職に進むことも可能。自分の強みや仕事の向き・不向きを知りたい方にオススメのツールです。



クローズで頑張る人や、転職意志が強い人に良さそうな感じ!
\ 20~30代に人気! /
job tag


job tagは厚生労働省が提供する、公的な適職診断サービスです。
「職業適性テスト」「職業興味検査」「仕事価値観検査」など複数の診断を受けられ、組み合わせて活用することで、自分に合った職種を探すヒントになります。
- 公的機関の提供で信頼性が高い
- 能力・興味・価値観の3軸から適職を分析
- 診断結果を保存して職業探索に活用できる
あくまで「傾向」を示すもので確定的な適職を決めるものではありませんが、幅広い視点で自己理解を深めたい方におすすめです。
\ 公的機関の信頼できる診断 /
多重知能テスト


多重知能テストは「多重知能理論」に基づいて、自分の得意な知能領域を分析できる無料テストです。
言語・論理数学・音楽・身体運動・対人など、複数の観点から「どんな能力を発揮しやすいか」を知ることができます。
- 強みの知能領域を把握できる
- 学び直しやキャリア選択のヒントになる
- 性格診断とは異なる新しい切り口で理解できる
直接的に「適職」を提示するわけではありませんが、特性理解の補助ツールとして利用価値が高いです。


\ 自分の得意な知能タイプを診断 /
ストレングス・ファインダー


ストレングス・ファインダーとは、米国ギャラップ社の開発したオンライン「才能診断ツール」です。
才能を34種類の資質に分け、テストを受けることであなたの資質を高い順番に並べて提示します。





私は「収集心」「目標思考」「個別化」が強い!
ストレングス・ファインダーは、転職活動においてアピール材料になる「強み」を見つけるツール。ご自身の強みを把握することで、どんな仕事なら成果を発揮しやすいかが明確になります。
ストレングス・ファインダーの購入方法を見る
テスト後に入手できるデータは2パターンがあり、購入方法によって手に入る情報が変わります。
- TOP5の資質のみ順番を知る
- 34資質すべての順番を知る
TOP5のみを購入した方でも、割高にはなりますが追加料金を支払うことでアップグレードも可能です。
購入方法 | TOP5資質 | 34資質すべて | アップグレード |
---|---|---|---|
書籍 | 2,420円 | – | – |
公式サイト | 3,495円 | 8,450円 | 6,990円 |
アプリ(iOS)(android) | 3,495円 | 8,450円 | 6,990円 |
オススメは34資質すべて確認できる上位版を利用すること。強みだけでなく、頑張っても結果に反映しにくい下位資質も確認できます。
TOP5を見るだけなら、リクナビNEXTの無料ツール「グッドポイント診断」で近しい回答結果が得られます。



私の場合は「調和性」「原点回帰」「包含」では頑張っても結果を得にくい。
\ 才能診断の最高峰! /
ポテクト


ポテクトは就活・転職の自己分析のほか、企業の採用選考としても利用されている診断ツールです。
詳細な適性分析シート6枚、ストレス、目標などさまざまな分析結果を得られます。
プラン | 出力シート | 料金/1人 |
---|---|---|
ライトプラン | 適性分析シート(1枚) +ワークショップシート | 無料 (※個人利用のみ) |
ベーシックプラン | 適性分析(3枚)+気質+ストレス +ワークショップシート | 1,650円 |
アドバイスプラン | 適性分析(6枚)+気質+ストレス +ワークショップシート | 3,300円 |
仕事力分析プラン | 適性分析(6枚)+仕事力+気質 +ストレス+ワークショップシート | 3,850円 |
無料のライトプランもあるので、気になる方は試しに使ってみてはいかがでしょうか。



PDFシートに分析がギッシリ詰まっています。
\ 日本製の自己分析シート! /
分析結果のシートを特性理解に活かすコツ


自己分析ツールの回答シートは、ただ眺めて終わりにするのではなく「どう解釈し、どう自己理解につなげるか」が大切です。
ツールの結果と普段の行動を照らし合わせて、客観的な自己分析に活かしましょう。
自己分析ツールの結果を、より活用するためのコツを3つ紹介します。
- 分析結果と実際の特性・行動を比較する
- 複数ツールの結果から共通点を探す
- 結果から活躍できる職場環境を想像する
分析結果と実際の特性・行動を比較する
自己分析ツールの結果は、「こういう一面があるのでは?」というヒントのようなものです。
出てきた内容をそのまま信じるのではなく、普段の自分の行動やこれまでの体験と比べてみましょう。
- 分析内容と日常の行動を照らし合わせる
- 当てはまる部分・当てはまらない部分を書き出す
- 思い出した体験は、面接や自己PRにも活かせる
たとえば「論理的に考えるのが得意」と出たら、過去に落ち着いて物事を整理して解決できた経験を思い出すと納得しやすくなります。
逆に「これは違うかも」と感じる部分も、受け止め方次第で自分を見直すきっかけになります。
分析結果は読むだけで終わらせず、自分のエピソードと結びつけることが自己分析を深めるポイントです。
複数ツールの結果から共通点を探す
自己分析ツールは1つに絞るよりも、2〜3種類を組み合わせて使うのがおすすめです。
設問や分析方法が異なるため、結果を見比べることで信頼性がぐっと高まります。
たとえば複数のツールで近い内容の「良い点」が指摘されたら、強みとして確度が高いと考えられます。一方でツールごとに違う結果が出た場合は、「まだ気付けていない自分の一面」と思って、日々の生活や仕事のなかで検証してみるのが有効です。
特におすすめの組み合わせは、「ミイダス」を軸に他のツールで補強する方法。ミイダスは質問数が多く分析内容も細かいため、他ツールの結果と見比べる“土台”として使いやすいです。
複数ツールを照らし合わせることで、客観的な「自分らしさの共通点」を見つけられます。
ちなみに私の場合は「戦略欠如がストレス」「計画性・緻密性」「自立性・論理力」と似たような結果が並びました。普段の仕事や私生活でも、この分析結果を「強み」として使えるような工夫をしています。



実生活や普段の行動に落とし込むのが大事!
結果から活躍できる職場環境を想像する
自己分析ツールは、特性や強みを理解するだけでなく「どんな環境で力を発揮しやすいか」を考えるヒントにもなります。
- 集中して一人で取り組む方が合うのか?
- チームで協力する環境が合うのか?
- マニュアルがある方が安心か、自由度が高い方が動きやすいか?
分析結果を手がかりに、自分はどんな環境なら働きやすいかを言葉にしてみましょう。
たとえば「論理的・計画的」と分析できた場合、経理や事務のように手順が明確な業務が合うかもしれません。「柔軟性・人との関係構築」が強みと出た人は、営業やサポート職の方が活躍できる可能性があります。
見つけた方向性に固執する必要はありませんが、求人票を見るときに「自分の傾向に合っているか」を確認できれば、よりミスマッチの少ない選択ができます。
転職活動をする場合は、自分視点での「合う・合わない」だけでなく、転職市場からの「需要」も大切です。実際に活躍できそうな求人があるかは、「転職エージェント」などを使って調査しましょう。



分析結果を「環境選びのヒント」にすると実用性がグッと高まるよ!
自己分析ツールの結果は「書き出して整理」がおすすめ


自己分析ツールの結果は、書き出して整理することで新しい発見につながります。
分析結果をただ読むだけでは、時間が経つと忘れてしまいます。得た情報を自分なりにまとめて、より「使えるデータ」に仕上げましょう。
- 出てきた傾向や特性を書き並べる
- 近しい性質の傾向同士をカテゴリ分けする
- 具体的なエピソードや体験を思い出して書き足す
ツールで得た結果を一覧化してみると思わぬ共通点が見つかり、自己分析の理解度も深まりやすいです。
まとめ方は、自分が使い慣れている整理方法でOK。紙やメモアプリ、マインドマップ、Excel・スプレッドシートなど使いやすいものを利用しましょう。



書き出しておくと後から見返しやすいし、面接対策にも使えるよ!
自己分析にアプリやツールを使う際の注意点


自己分析ツールはとても便利ですが、結果をうまく活かすためには「使い方のバランス」を意識することが大切です。
ここでは特に気をつけたい注意点を3つ紹介します。
- 登録制の転職サイトや有料ツールもある
- ツールの回答をそのまま信じ過ぎない
- 第三者の客観的な意見も参考にする
登録制の転職サイトや有料ツールもある
自己分析ツールの中には、登録が必要な転職サイト型や、有料プランで詳しい結果が見られるタイプもあります。
無料の範囲だけでも十分活用できますが、利用前に必ず「登録条件」や「課金範囲」を確認しておきましょう。
最初からお金をかけるのが不安な場合は、登録だけで使える転職サイトの自己分析ツールから始めるのがおすすめ。無料でも細かく分析ができるサービスが多く、求人検索や業界研究にもそのまま活用できます。
無料でツールを試して「もう少し知りたい」と思ったら、その段階で有料ツールを検討すればOKです。
自己分析は「どのツールを何回やったか」よりも、結果をどう活かすかがポイント。まずは2~3個試しつつ、今後の方針を立てる方に意識を向けていきましょう。



アカウント登録だけで詳しい自己分析が受けられるならリターンは大きい!
分析結果をそのまま信じ過ぎない
自己分析ツールの結果は、あくまでひとつの視点です。
細かい分析や専門的な言葉が並ぶと「本当に自分のことを理解してくれてる!」と感じやすいですが、ツールはあくまで統計やパターンに基づいた予測。万能な答えではありません。
大切なのは信じ込むことではなく、分析結果を「仮説」として扱うこと。普段の自分の行動やこれまでの経験と照らし合わせる「検証」が必要です。
納得できる部分は受け取り、違うと感じる部分は「今後の観察ポイント」として活用してください。
第三者の客観的な意見も参考にする
自己分析ツールの結果は参考になりますが、それだけに頼ると視点が偏りやすいです。
分析結果をさらに活かすためには、第三者の意見を組み合わせることをおすすめします。
- 家族や友人に「普段の印象」を聞いてみる
- 支援者や上司にフィードバックをもらう
- 転職エージェントや専門サービスで助言を受ける
「ツール×自分の認識×他者の視点」が組み合わさると、自分の特性をより立体的に理解できるようになります。



分析結果を読んでもらって反応を見るのも効果的!
まとめ|自己分析はツールを組み合わせると効果的
本記事では発達障害がある方に向けて、自己理解や適職探しに役立つツールやチェックシートを紹介しました。
- ツールは客観的なデータを得る道具
- 複数の結果を比較して共通点を探す
- 書き出して整理すると理解が深まる
- 職場環境や求人選びに落とし込むと実用的
自己分析は「結果を読むだけ」で終わらせず、自分の行動や経験と照らし合わせて検証することが大切です。
まずは無料で詳しい分析ができるミイダスを試してみて、結果を整理しながら次の行動につなげてみましょう。